こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

三年分のUTMF・その7 (とりとめない話)

UTMFからすでに1ヶ月。

何を今さらと思われるかもしれないけど、もうちょっと書きます。

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でもその前に大切なお知らせを。

アトリエkikaさんでの『夏のサンダル+夏の帽子』の展示は都合により日程が変更になりました。直前での変更で申し訳ありません。

5/31(火)〜6/9(木)の開催となります。

よろしくお願いします!

日にちが後ろ倒しになった分、一足でも多く作りたいと思います。エイエイオー💪

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ではUTMFについて思いつくままもうちょっとだけ。

UTMF2022は完走率80%以上でした。

100マイルで80%以上ってなかなかすごいとは思うけれど、一つは天候が味方してくれたというのが大きい。

さらに制限時間の緩さが高完走率の所以でしょうね。

トップの選手のタイムを2倍した時間より制限時間が長ければ"緩い大会"と定義できるのではと思います。

わたしが出場したことのある大会を例にあげるとITJは優勝タイムは6~7時間で制限時間は14時間。

SPA TRAILは優勝タイム7時間で制限時間13時間とちょい厳しめ。

信越五岳はトップが11時間半弱くらいで制限時間22時間なのでこれも厳しめです。(わたしは完走者の中の後ろから数%でした)

で、UTMF2022はトップは18時間なので倍で36時間のところ、制限時間44時間ありましたね。コース変更のない年でもトップは20時間ほどだから、かなり緩いのは確か。

国内でこれほど時間に余裕のある100マイルは他になく。唯一無二の存在です。

どうかこのまま間口を広げておいて欲しいなと思ってしまう。

ちなみにわたしの場合、天子山地がなくなった分は3時間20分の短縮になり、竜ヶ岳に登らない分は1時間20分の短縮になってました。(2018年との比較)

合わせて4時間40分!!

石割山も登らずきらら直行だったから2018年より5時間の短縮が当たり前だったのか・・。

 

あとトイレ。

全てのエイドで女子専用ありました。

女子の人数は全体の2割以下ですがわたしがエイドに到着するのは女子のボリュームゾーンになるからか常に並んでいました。男子用のは誰も並んでないのに女子用だけ行列というシーンも多々あり。エイドによっては男女兼用マークがついた仮設トイレもありました。

女子が10人並んだら30分かかるというのは頭に置いておきたいところ。

そして4週に一度は月のモノがあるわけで、てことは4人にひとりはそういうことで、やはり行きたくなくてもトイレに入らなくてはいけない事情が女子にはあるわけで。

携帯トイレを使用したら回収と交換があるのであれば生理用品についても配慮があるといいのになぁと思いました。

 

そして補給のこと。

もうこれは永遠のテーマ。

いろんな人のレポを読んだけど食べられなくなるのはみんな一緒。

よく『ジェルを受け付けなくなった』という表現がされますが、わたしはそうではなく『食べたくなかった』。

食べなきゃエネルギーがなくなるとわかっていても口にするのが嫌でした。

ジェルだけじゃなく、好きなものを考えて持っていったはずの自前の補給食全てが。

ごっそり残りましたヨ

ぬれせんは食べた。

食べられなくなったときのためのキャンディとひとくちみかんゼリーも食べました。

全くカロリーないですが。(ゼリー1個15キロカロリーとか萎えるw)

頭では食べなきゃってわかってるのに、食べたくないってどんだけ頭悪いんだって今ならわかるけどレース中は思考が鈍ってただの駄々っ子になる。

これは食べられた。

お湯で作れるフリーズドライタイプのものは絶対いいと思う。

唾液が出なくなってきて口の中がカラカラになるのだけど、今回のレースではそれがさらに悪化して喉まで痛かった。なので食べられたのはエイドの豚汁やうどんなど汁物のみ。

たまたま先日読んでいた小説の中でドライマウスの治療に昆布ダシが利用されるという記述があり、ハッとする。昆布ダシを口に含むと粘り気のある唾液が出るのだそう。

うまみに身体が反応して荒れた粘膜が潤うとあった。

 

なるほど。。

精進湖エイドのあの「田舎ぞうすい」で生き返ったのはそういう理由あるかも。

もしかしてドリンクを昆布だしにしたら、あの口の中カラカラ状態を打破できる?

 

それにしても、そもそも運動中に食べて消化吸収するというのは無理がある。しかもそれが普段は寝ているはずの夜中とか。

無理して食べない方がいい気がしてきた。

rb-rg.jp

石川選手は食べないそうです。

キミノちゃんもそれほどカロリーは摂取してないとのこと。それより普段の食事から改善。

markmag.jp

 

何が正解かはわからないけれど、とにかく言えるのは食べられなくても大丈夫ということ。

大丈夫。

この言葉好きです。

数々のピンチがあっても大丈夫。

ランニングはそのことを教えてくれる。

今週も頑張っていきましょ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

折りたたんだり巻いたり

ごはん係の皆さん。

コロナ禍で夕飯作る回数増えましたよね?

うちも、たぶん年間300回くらいだったのがコロナ禍で360回くらいになりました。(盛りすぎ?)

ちとしんどいので何か楽しいことを考えなくてはと思っていたときに流れてきたレシピ。

www.hotpepper.jp

いわゆる「おにぎらず」ですが『折りたたみ』というワードにむむむっと思った。

さっそくやってみます。

レシピを参考に用意した具材がこちら。

キムチがちょい苦手なのでにんじんをマヨネーズで和えたものに置き換えました。

海苔の上に具を並べます。

 

太線のところに切り込みを入れて、矢印の順に時計回りに折りたたむ。

 

ラップで巻いてしばらく落ち着かせます。

 

ラップごと切ると断面がこんなに映える!思わず、おおっと声が出た。

おにぎらずは海苔でプレゼント包みするやり方が一般的ですがこの折りたたみ方式だと具と具の間にも海苔が入ることになり、さらにおいしい。

これと味噌汁だけでお腹いっぱいになりました。お弁当にもいいね。

ここのところ、夫婦揃って残業続きで特に夫が何時に帰ってくるかわからないなんて時に非常に便利。

 

海苔がまだあるので海苔巻きも作ってみました。

奥園流です。

奥薗流・巻き寿司 | 奥薗壽子のなべかまぺえじ

雑穀米残りご飯と魚肉ソーセージと大葉を巻いただけ。

酢飯にはしなかったけどおいしい!

とっても簡単です。

さらに酢飯でもやってみたけど別に酢飯じゃなくてもいいみたい。

奥薗さんは醤油わさびマヨで召し上がってましたがマヨネーズだけですごいまろやかな味になった。(うちのは燻製マヨネーズです)

海苔巻きって初めて作ったけど、こんなに簡単なら具材いろいろで頻繁につくれそう。

これと味噌汁だけでOKですよね?(小鉢くらいは付けるか)

 

天気イマイチの日々ですがアトリエkikaさんでの展示まであと2週間切りました。

今週もがんばっていきましょう。

 

 

 

 

 

その後の御殿場桜

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4月5日


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4月8日


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4月10日 ほぼ満開。このあと全部の蕾が咲きました。


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4月21日。UTMF受付の日。

出かける直前に花を摘み、精神統一。

剪定は心を落ち着かせるのに効果アリ。


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盆栽ちえ師匠ブログを参考に。

www.bonsaichie.com


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5月5日 みそっかすが一輪咲く。

 

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葉先を摘んで、固形肥料を置く。

本日の姿。

これ、先端以外から葉は出ないのだろうか?

来年花が咲くとは想像できないな。

また経過はご報告したいと思います。

 

さてUTMFからもう3週間。

サンダル制作のことで頭がいっぱいですが、もうちょっと振り返って書き残しておきたいことがあるような、ないような。

頭の中が整理できたら書きます。(できなかったら書きません)

 

はやま三ヶ岡緑地から長者ヶ崎

野鳥の会メンバーさんと今月は"はやま三ヶ岡緑地"へ。

三ヶ岡山、別名大峰山は標高142.7m。

トレランでは仙元山100の1/5のとき、T2 Ultra100のときに通っています。

あんときは全く余裕なかったのでいつかゆっくり歩いてみたいと思っていました。

つつじコースから登って山頂目指し、あじさいコースで下山。

山頂広場ではコゲラがいっぱい飛び交っていました。巣立ちビナなのかな?

 

下山途中のあじさい公園でお弁当タイム。ここまで1.8キロくらい。その距離に1時間20分ほどかけました。

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ケチャップごはん弁当を食べていたら、公園に遊びに来ていた幼稚園生に『トンビに気をつけてね』とアドバイスされましたw

 

眺めも良くて、このままここで昼寝していたいような気持ちのいいあじさい公園でした。

昼食後は主に海岸を歩きます。

波は穏やかで、渡り途中のシギ、チドリ類に会えそうな予感。

葉山美術館の散策路を通って、お隣のしおさい公園へ。

ここでは20分ほど博物館にも入りました。貝の展示に見入ってしまった。

ずっと前に沖縄で拾った巻貝は『マガキガイ』だったと判明。(名前がわかってスッキリ)

その後、一色海岸〜大浜海岸〜長者ヶ崎と歩きます。

ハマダイコンハマヒルガオ

 

ハマボッス

 

ハマボウフウ(食べられます)

名前に全部ハマがつく。

海岸の植物には名前に『イソ』がつくのと『ハマ』がつくのがあってそこにルールはないのか?と考え始めると眠れなくなります。

 

チュウシャクシギ発見!

つい先日、江ノ島でもみつけてその時に調べていたので識別できました。

クチバシが弓なりのカーブを描いているのはだいたいダイシャクシギ、ホウロクシギチュウシャクシギのどれか。ダイシャクシギ、ホウロクシギはかなり大きいのでこれはチュウシャクシギ

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だけど大きさは双眼鏡で見ているだけだと実感しにくいし(肉眼でも見ること大事)、上空を飛んでいるとますますわからない。

今回はヒメアマツバメイワツバメがよくわからなかった。

腰のところが白いのは見えたからツバメじゃないというのはわかったのだけど・・・。

ブーメランみたいな形で飛んでいたらヒメアマツバメアマツバメアマツバメは大きい。

ヒメアマツバメ留鳥イワツバメアマツバメ夏鳥
ヒメアマツバメイワツバメが去ったあとの巣を利用する。

ヒメアマツバメについては1月にオンライントークイベントで目からウロコの楽しい話を聞いていたのでブログに書こう書こうと思いつつ、日が過ぎているのでここにリンクを貼ります。

note.com

 

さらにこの日はアジサシとコアジサシもわからなかった。

こちらも大きさで判断で小さい方のコアジサシだったらしいのだけど、飛んでいるときでもクチバシの色や足の色(コアジサシは黄色、アジサシは黒)を一瞬でもとらえて識別するといいとのこと。ちなみにアジサシは旅鳥コアジサシ夏鳥

 

自分ひとりでは判断できなかったけど、しっかり観察はできたということでヒメアマツバメコアジサシキアシシギをリストに加えて、今年見聞きした鳥は94種にしました。

(ちょっとズルかなぁ・・・)

 

あとこの日話題になったのは『ダーウィンが来た!』で放送された舳倉島でのオオカマキリが鳥を襲うシーンのこと。

これにはびっくりでした。

www.nhk.jp

襲われる鳥が見たことない鳥で(ベニヒワでした)それも含めみんなで話題に。

ってか、みんな『ダーウィンが来た!』が好きなのね〜

好きなだけ生きものの話ができる貴重な一日を過ごしました。

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大河ドラマゆかりの地へ・その4

GWが終わりました。

こびとく的にはサンダル制作で毎年この時期はテンパっているので連休はなしです。

でも半日だけお休みにして鎌倉を歩いて来ました。

混雑を避けて朝7時スタート🚶🏻‍♀️🚶🏻‍♂️

なんてことはない、いつものランニングコースなんですが。

趣向を変えて歩いてみれば新たなる発見と楽しみが!

源氏山公園で源頼朝公📸

当たり前と言えば当たり前、ここ鎌倉は鎌倉殿のゆかりのスポットだらけ。

こびとく日誌『大河ドラマゆかりの地へ』もシリーズ化となりました。

前回↓

kobitoku.hatenablog.com

源氏山公園からトレイルを出たところが寿福寺。鎌倉で一番好きな参道です。

こちらには北条政子のお墓があります。

お墓があることは知っていたけれどお墓に参ったことはなかった。なので今回は立ち寄ってみました。これまでは人影少ない場所だったはずだけど、やはり大河ドラマの影響でたくさんの人がいました。

政子のお墓の隣には実朝のお墓があった。

先日『実朝の首』を読みましたが、首塚は秦野にあるんですよね。

そして頼家のお墓は3月に歩いた修善寺に。

 

鶴岡八幡宮を抜けて西御門、二階堂方面に歩けば、大蔵幕府跡、頼朝の墓、大江広元の墓、北条義時の墓など目白押し。

向かう途中の道端の石碑前で若い女性グループが記念撮影していて、何かと思えば畠山重忠邸跡でした。

歩いていれば至る所に石碑はありますが、残念ながら当時の名残はどこにもないです。それっぽい邸宅なども全くないです。

それでもここにあの坂東武士の方々が・・と想像するだけでも感慨深いものが。

TVドラマってすごいな。(ただのミーハーです)

 

サンダル+帽子の展示をやらせていただいているアトリエkikaさんは鎌倉宮の門前にあり、kikaに向かう道すがらにゆかりのスポットが点在。今年の展示期間中はものすごい人出になりそう。いろいろ楽しみです。

 

永福寺の裏の獣道から再びトレイルに入り、マイナーなルートを選んで進む。

そのマイナールートでも団体さんに出会うのがGW。

新緑がきれいでした。いい季節だなぁ。

ゴールは大船駅ですが、最後はこの日、絶対立ち寄りたいと思っていたお寺へ。

常楽寺です。

昨年のGWにもやはりこうやっていつもは走っている道を大船駅まで歩いていて、ここに立ち寄りました。そのときは何も知識なく、ただ立派なお寺だなぁと思っただけ。

でも今年は違う!

www.nhk.or.jp

17話で放送されたばかり。あの悲運の義高様の首塚があると知ったので・・・。

www.nhk.or.jp

『紀行』でも紹介されました。

ちょっとした裏山登りになるので歩きやすい靴が良いかと思います。
こいのぼりが供えられていて、役柄ではもうちょっと年上に見えていましたがわずか12歳だったのですものね。。。

 

『鎌倉殿の13人』とてもハマってしまっていますが、出演している人のほとんどがこの先、殺されてゆくのかと思うとちょっと辛い。

それでも鎌倉時代の歴史を学びつつ、またゆかりの地めぐりをしようと思います。

 

UTMFからすでに2週間。

再び走り始めました。

少し迷ったけれど信越110Kにエントリー。

今週もがんばっていきましょう。

 

 

 

三年分のUTMF・その6

残り4キロ!!

「あと1時間くらいでゴールまで行けますよね?」と誘導スタッフの方に尋ねたら、うなづいてくれた。

ってことは?と時計を見たら、なんと40時間切りできそう!

↑夜なべして気が狂いそうになりながら、やっとこさえたタイムスケジュール。

わたしは"時刻で動く"のではなく、"経過時間で動く"タイプ。

当初は44時間の予定でした。コース変更になったので天子山地がなくなった分、3時間早くなると予想して41時間に変更。各エイドでの時間はマイナス3時間で計算することにしてタイムスケジュールはそのまま訂正せず。常に「引く3」で進みました。

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応援の夫にはエイド到着予定時刻のメモを渡していました。

この画像貼って、今ごろ気づいたけどスタート時間が1時間後ろ倒しになっていたから、41時間じゃなくて40時間の計画になってたんですね。

なんで、めっちゃ予定時間通り。

精進湖、きらら、吉田でほぼピタリの時刻にinしてました。

それなのにあと4キロと言われたときに1時間ほど巻いていると勘違いし急にテンションアゲアゲになり、爆走し始めたわたくし。

元気よく走っていたら前方にチャーリーさん発見!!!最後に会えるなんて奇跡的💕

声をかけて、ここからは一緒にゴールを目指します。

チャーリーさんは第3ウェーブスタートなのでわたしより15分早くスタートしている。40時間切るには急がねば。

「チャーリーさんごと40時間切りする!」と宣言して走り出したものの、ロードに出たらあまり走れずチャーリーさんに置いていかれる始末。

ハイランドの敷地内に入って「残り1キロ」の看板を見たときにはチャーリーさん40時間切りまで残り5分。『キロ5で行けば間に合う!先に行ってください!』と叫んだら、キロ5は無理!って返ってきて、そりゃそうだってなってあとはさほど急がず走りました。

ゴールの花道はとても広くて長くて、長かった100マイルを噛みしめながら走った。わたしを信じて待っていてくれた人たちが出迎えてくれた。(超嬉)

途中でやめなくて良かったと心底思う瞬間。

一方でもう二度とごめんだと思う瞬間w

158キロ、39時間50分の長旅でした。

まとまらないレポもようやく完結。

 

レースの翌朝、洗濯しようとした短パンのポケットの中から大福を発見。

確か前半のエイドで貰ったのではなかったかな?

もちろん、おいしくいただきました。

そして幻覚についてですが、やはり家に帰ってからがすごくて、玄関の鍵を開けてるときに地面にヘタウマのミッキーマウスのようなかわいらしいキャラクターが次々と現れた。何か文字も書いてあったな。

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強い自分に会いたかったUTMF。

でもわたしがそこで会ったのはどこまでも自分でしかない自分でした。

以上です。

 

アトリエkikaさんでの『夏のサンダル+夏の帽子』は5/28(土)~6/5(日)5/31(火)~6/9(木)までを予定しています。只今、絶賛制作中!
(すみません、日程が変更になりました)

 

 

 

 

 

 

三年分のUTMF・その5

真夜中の杓子山。

レース中の人の流れって不思議でどこまでも連なっているときもあれば前後に誰もいない一人旅のときもある。

一晩目のときは一人旅がほとんどだったような。だから自分は相当後ろの方にいると思っていた。そもそも第4ウェーブだしね。

途中のどこかで『ラストランナーのみなさ〜ん』というスタッフの声かけもあった。

でも杓子山に向かっているときは列はびっしり。お先にどうぞと譲ると延々後ろから人が来る。

岩場にさしかかるところは止まって待つほど。

けれどいくつかの岩場を行くうちに後ろも前も見えなくなった。

わたしは自他共に認める高所恐怖症であるが、夜であれば周りが見えないので岩を登っていても怖くはなかった。これ幸い。

杓子山というのは岩を何度も登ってもなかなか辿りつかない山。それがわかっていても大変だった。2018はここで夜が明けてきて鳥のさえずりが聞こえてきたので気持ちも明るかったが今回は山頂到着してもまだ暗く、思い切りカーンと鐘を鳴らしただけですぐ下山。

登る時は一人旅になっていたのに下りはまた隊列が続いていた。

ロープの張られたあの下り道。土嚢で何度も滑る。

後ろの男性に「先に行きますか?」と尋ねたら、そのままわたしの後ろでいいと言う。

そしてこの男性の声に聞き覚えあり。前の晩や日中もこの人後ろにいたなぁ。

やっかいな下りが終わって林道に出てから、近くにいた男性とも会話をしたけど、その人も前の晩にしゃべった人だった。なんだかんだみんなだいたい同じペースなのね。

富士吉田のエイドまでがとても長く、ダラダラ歩く林道で眠気が一気に来た。時刻は午前2時台か3時台。半分寝ながら歩いていた。

地面にある落ち葉や小石に一個一個かわいらしい顔が書いてあるのが見えていた(幻覚)。

まわり全員歩いているし、なんかレース中というよりトレラン講習会に参加してもう最後だからみんなで宿まで歩いているという終わった感満載だった。

富士吉田エイド付近に入ってからのエイドのテントまでも長かった。

なんかすごいライトの列が下っているのが見えていた。奈落の底がエイドか・・・。

そして、ようやく吉田のうどんにin!

二十曲峠から富士吉田エイドまで4時間ほぼ何も食べられてなかったけれどうどんは食べられた。

焼きそば、身延まんじゅう、田舎雑炊、豚汁、うどん。エイドのおもてなし食は全て食べている不思議。

補給食については見直しが必要だな。汁物はどんなときでも大丈夫そう。

あとお湯が大人気でしたね。今回のウォーターサーバー方式がとても良かった。

どこかのエイドではぬるめのお湯とあっついお湯を選べた。

ジェルを持つより、フリーズドライの雑炊やスープ、味噌汁が良さそう。

 

富士吉田エイドを出る頃には夜が明けてきた。残すは霜山のみ。

霜山の登山口までは住宅街を複雑に歩いていく。どこをどう歩いているのかわからないけど登山口までなんと45分もかかった。ここは走らなくてはいけないパートなのかもね。(まわりの人も全員見事に全歩き)

2018の霜山は暑くて、とても大変だった記憶しかないが今回は涼しくて快適。

とはいえ、またもや「お先にどーぞ」祭り。みんな上りが強いなぁ。

途中でラン友さんの熱烈応援団に会う。

今回も応援やボラスタッフに知った顔をみつけては元気をもらった。わたしも次回は応援かサポートかボラで参加したいと強く思う。

 

前日は真夏のような日差しと暑さだったのにここにきて、小雨が降り始めた。

とそのうち雨も激しくなる。寒くなってきた。

止まってザックからレインウェアを出して着る。

レッグカバーを上まで伸ばして保温する。

↓これ、上げ下げできて便利でした。タイツだと更衣室がないと脱ぎ履きできないので。

webshop.montbell.jp

今回は最初の夜は寒く、二日目昼間はめちゃくちゃ暑く、二晩目はそれほど寒くなく、三日目はまた寒くなった。

気温差は15度近くあったかもしれない。

それでもザックの中にあるものでしのげる。怪我をしたら応急処置もできる。たった4キロだけどこの装備さえあれば100マイルも移動できるのだということが、最後にわたしをとても満たされた気持ちにしてくれた。

雨はそのうち止み、レインを脱ぐ。

誘導スタッフの方が『残り4キロです!』と教えてくれた。

残り4キロ!!!!

あと1時間で終わる?!

 

すみません。まだフィニッシュできず、次回につづく。

 

 

 

 

三年分のUTMF・その4

今年のUTMFはあちこちで桜が見頃になっていました。

ほんの一例↓

さて、レポのつづきです。

次のエイドは忍野。今までのエイドの場所より先の公園のところになったのだけどそれが案外遠くて。途中で会ったYちゃんが誰かとしゃべってないと寝てしまうというので一緒にしゃべりながら向かうもなかなかエイドに辿りつかない。

「あの桜のところがエイドです」って誘導スタッフに教えてもらって視線を向けた先は遥か彼方だった。

忍野エイドが遠い分、次の山中湖きららは割とすぐだったのでYちゃんに長居はしないよーと告げ、言葉通り早めにoutした。2018のときは忍野で装備品チェックがあったが今回はなし。

ここから先は2018でかなり苦しめられたところ。石割山に向かう途中で熊出没情報が来て、もうリタイアしようと本気で考えていたっけ。

Yちゃんとそんな話をしながらダラダラ登る林道を歩く。まだ日の入りではなく明るい。

明るいと全然違うのな。

全くなんてことはなく、大平山に到着。

この辺りは丹羽さんのサロモンキャンプで通ったルート。

kobitoku.hatenablog.com

ここからきららまでの間でそのサロキャンで知り合った仲間たちに会って合流。

途中で知った顔に会うのってすごく元気出る。

みんなも気持ち悪いとか食べられなくなったとか言いつつも誰もやめるとは言わないからわたしも頑張る所存。

木段登るのは大変だったけどこの区間は2時間半。ライトなしできららまで行けた。

みんなは平野のセブンイレブンに吸い込まれていったがわたしは食べたいものが思い浮かばず、きららへ直行。とりあえず寝てから考えよう。

 

出迎えてくれたマキさんから寝袋を受け取り、仮眠室へ。マキさんには20分経ったら電話で起こしてくれるようお願いする。ここでも眠かったわけではないので眠ることはできなかった。

ただ気持ち悪いのは少し解消したかも。暖かい仮眠室の中で身支度する。

この仮眠テントの中に朝までいられるならどんなにいいか。。。でも行くしかない。

エイヤッとテントから出る。

エイドで豚汁と塩むすびをもらう。食欲はないけど食べなきゃ。無理矢理流し込む。

たいしたことはしていないのにきららに1時間以上も滞在。ウォシュレット付きトイレはここが最後かとトイレに入ってから出発。今回エイドの仮設トイレは結構な確率で和式でした。あてにしていた氷穴の公衆トイレ(ウォシュレット付き)は氷穴のお客さん以外は使用禁止とあり、使えず(泣)

六花さん屈伸チェックもなしで登山口へ。

ここから次のエイド二十曲峠までが大変な区間。果たしてこの先行けるのだろうか?(行くしかないです)

ロープを使って登るエグい登りが3回くらい?

記憶を辿りながら進む。崩壊しているところを通って石割山への登り返しを我慢すれば二十曲峠だと思ったけど記憶よりずっとずっと長く大変だった。

バイケイソウがたくさんあったことだけ覚えている。

二十曲峠エイドではフリーズドライしじみ汁を作って飲む。何かを食べる気にはならなかった。ジェルなど補給食はごっそり残っている。

食べられなくなったときのために持っていたブルーベリーのキャンディと無印のひとくちみかんゼリーは食べる。ゼリーなんて一個15キロカロリーしかないのだけど食べないよりはマシかしら。

一体、ジェルを何十個も食べられる人なんているのだろうか。

1時間に1個ちゃんと補給し続けられる人にわたしはまだ会ったことないです。

2018のときは頑張ってジェル6個。今回は2個ww

ざっくり計算した摂取カロリーは2018は3900kcal、今回は2900kcal。(多めに見積もってです)

これまでもこの先も路肩で何度もえづくも何も出ないの繰り返し。同じ症状の人多数ですよね?

ゾンビの行進のようになりながら杓子山に向かう。時刻も一番辛い深夜帯。

ありえない高さに連なるライト。あれが杓子山?とドン引きするも綺麗だった。

二晩目だよ。おっかさん。

つづく。

 

 

 

 

三年分のUTMF・その3

精進湖エイドに着いたのが朝の5時。最悪の気分でマキさんから寝袋を受け取り、すぐに仮眠室へ。補給は寝てからじゃないと取れそうになかった。

でも寝るともう起きられないかも・・という心配も。

ここの仮眠室はテントではなく建物内でヒーターがついていて暖かかった。

時計のアラームをセットしようとしたけど、エクササイズの記録中でどうやっていいのかわからなかった。(二つの機能を同時に稼働できるのかしら?)

代わりにスマホのアラーム(音が鳴るけどその前に起きよう)をセットし、横になる。

眠かったわけではないので眠れなかった。でも前回の経験からも横になることで身体は楽になるはず。

15分で起きる。ちょっとだけ気分が変わったか?

食べなきゃと思ってエイドで田舎ぞうすいをもらう。

これがとっても美味しかった。なんかいろいろ具材が上に乗ってた。(写真なし)

あとから知ったけど河口湖のイエスタディというホテル&レストランのシェフのものだそうで、ダシが効いていた。いろんな人のレポでも『おいしい!』の嵐。やっぱり辛いときでも(辛い時こそ)おいしいものは喉を通るのだ。

おかげでこのあと氷穴までのロード区間はあまり歩かず、ゆーっくりだけどランのポーズで進めた。

風穴のところでサプライズ応援!!!

全然元気じゃないけど元気になる。(どっちなんだ?)

トレイルに入ると西湖が雲海になっていた。

そこらじゅうでチヨチヨビー(センダイムシクイ)とチビティーチビティーチビティー(ヒガラ)が祭りになってる。

徹夜明けで進むここのパートがとにかく長い。

やっとこさの足和田山。ここで寝るのが気持ち良さそう。

仮眠室じゃなくても良かったのかもな。

新緑がむっちゃ綺麗。

そしてハイランドからもこの富士山!90キロ超えた!

ここではドロップバッグを受け取れる。

今回はここで食べるものとしてこんがりパン濃厚クラムチャウダー味を用意していた。

Tシャツと靴下を着替えに行っている間にマキさんに作ってもらう。

完食!!!(と言ってもたったの112kcal)

タンパク質の補給にと思ってドロップバッグに入れておいたボディメンテゼリーも無理矢理完食。(と言ってもたったの90kcal)

食べているときにtackさんに声をかけてもらう。スイーパー業務でいらしていたそうだ。

mountain-ma.com

この人にアドバイスもらうとなんか落ち着くのよね。この先大丈夫な気がしてきた。

エイドに滞在している間にKAIがスタートしたみたいでKAIの選手に抜かれるというのは一切なしになる。ちと残念。

エイドでクリームパンをもらって食べながら出発。でもすぐに食べたくなくなりクリームパンはザックにしまう。コロナ禍で個包装のものしかエイドになく、大きすぎて食べ切れないものが多くなっている。薄皮あんぱんの切ったやつとか今思えば夢のよう。

わたしら世代は食べ物を粗末にしていはいけないと教育された世代なので残せない。捨てられない。。となると手を出せなくなる。

バナナ一本が食べられなくて手にできず。どこかのエイドだけ半分のがあったので貰った。

コロナ禍わかるけど、バナナくらい半分に切ってもいいんじゃないの?と思うのだがこれも決められたルールってことなんでしょうね。

 

すっかり忘れていたが、このあと裏エイドの富士吉田の道の駅があった。

あ、その前に小倉山💢があった。あそこの直登なんなんでしょうね💢

で、道の駅、ここはコース上にあり、買い物OK。

シャインマスカットのソフトクリームです💕

おいしかったのでもう一度言います!

シャインマスカット💕 それは100マイル中に絶対出てこなさそうなワードw

これがなかったら終わってたと言っても過言でない。

そしてここには地元のラン仲間チガジョグ応援団が来てくれていた。

今回のUTMFにはチガジョグメンバー9人が参戦。他のメンバーの順調な様子を聞きつつ、わちゃわちゃしていたら、家に帰りたい〜と愚痴っていたわたしも先に進まなきゃって素直になる。

 

でもこの先がうんと大変になってくるんだな。気温も上昇。

前回も大変だった忍草山💢直登に次ぐ直登💢もういやっ!

でも富士山は綺麗でした。

つづく。(はー長いな)

 

 

 

 

 

三年分のUTMF・その2

コロナ禍での開催とあって今回はスタートまでもいくつもの関門を乗り越えることとなる。

前日泊、受付と装備品チェックは御殿場時乃栖にて。

最初の関門は抗原検査。ここで陽性が出たら全てがパァ。(大丈夫でした!)

2週間前からの体調チェックシートと誓約書と運転免許証を受付で提示して装備品チェックに進む。

装備品チェックのときに再びチェックシートと誓約書を提出するのだけど、さっきまで手に持っていたはずなのに見当たらない。床にも落ちていない。

神隠し!!!???

なんで数メートルの間に消えるのか?

さっきまであったと訴えてもスタッフの方は苦笑いするだけ。

装備品の入ったカゴを全部さらってようやく一番下にあるのを発見した。ホッ。

 

スタートは翌日の夕方なのに前日に泊まらなくてはいけないのがなんとも言えないが、スタートが早朝ではないのでずいぶん気楽。

同宿仲間はご近所ランナーやっちゃんと、はてブロ仲間のチャーリーさん

チャーリーさんとは感動の初対面でした。リアルで会うのは初めてだけど数年来、ブログやSNS上でやりとりしてるから初めての感じが全くしなかったけど。

お部屋は広くて窓からは一面の緑。癒された。(この日の夜は大雨に)

木金土日と夕飯や家事のことも一切考えなくてもいいんだ〜💕

夕食はホテルのレストランでカニ湯葉丼と鰤の照り焼き定食。おいしかったし、こういう胃に優しい系のものを食べたかったので満足。朝食もおいしかった。

なんせスタートまでたっぷり時間あるので翌日お昼までのんびり。

チェックアウト11時、スタート地点に向かうバスが13時半。待合室で知り合いと会ったり、床にシート敷いて寝たり。昼ごはんはホテルのベーカリーで買ったパンを齧る。

スタート地点は2018年と同じ草原の家のところ。広々として気持ちいいけど雨だとどうなるんだろうね?

それぞれのウェーブごとにセレモニーあってカウントダウン。15分ごとだからここでも相当待ち時間あり。後半ウェーブになるとトイレも並ばないし、他のレースでも取り入れて欲しい。

ウェーブはITRAのパフォーマンスポイント順ということで速いランナー順。

2000人近い参加者だけど同じウェーブの500人弱でレースをおこなってる感じになるのかな。

第4ウェーブだと変にかっ飛ばす人もいないし、無理な追い越しもないし、みんな荷物はでっかいし、女子多め。

でもこれから100マイル走るというペースじゃなかった。みんな速すぎ!

最後尾からスタートした鏑木さんには30分ほどのところで抜かれた。

送電線の下は一列でほとんど歩いた。そのくらいで良かった。

富士宮エイドに着く前にライト点灯。

天子登山口に向かうトレイルはやはりドロドロで登山口からはコース変更になった迂回路へ。

途中でのカエルの合唱がすごかった。

麓エイドまでは歩いたり走ったり。富士宮焼きそばのことだけ考えて進む。

麓エイドにin。この食べ切りサイズが嬉しかった!

2個食べてもいいって言われて感涙。

第4ウェーブだから売り切れ覚悟だったのだ。

サポーターエリアで食べる。今回なんとわたしにはサポートがついていた。

熟女練仲間のマキさんがお友達のサポートついでにわたしもサポートしてくれるとのことで「タイミングがあえば」ってことだったけど結局、麓、精進湖、ハイランド、きららと4か所でお世話になった。

思い返すとワガママ言い放題だった気がするけど・・甘えさせてもらいました。

エイドまで行けば待っていてくれる人がいるっていうのが一番支えになるのよね。

よく「ゴールで待ってる」とは言うけど100マイルの場合はゴールはあまりに遠すぎて。

 

麓エイドまでは天使山地を通過してないから楽なはずなのにそんなことは全くなくてすでに疲労困憊。その先を考えると気が滅入るばかりだけど竜ヶ岳は登らないコースになったから本栖エイドまでは行けるでしょと自分に言い聞かせ出発。

本栖エイドは建物が使えず屋外で寒かった。ベンチに座ったけど冷えてくるので長居はせずに身延まんじゅう貰って裏山へ。ここからの急登が大変。2018年は夜が明けていたのでそれほど辛くなかったけど、今回は苦手の深夜の時間帯で辛かった。

パノラマ台で美しい半月と夜富士。

いつもなら午後10時〜5時までは寝ている時間なのでこの時間帯に動くのがそもそも辛い。

この時間帯に何かを食べるというのもできない。

それなのに急登を登らなくてはいけない現実。布団で寝たい、うちに帰りたいと何度も思う。

レースのときは毎回、夜パートは登っているときにムカムカしてきて吐きそうになる。吐きそうになるだけで何も出ないのだけど波のように寄せては返す吐き気。

お腹の調子も悪くなる。すごいゴロゴロ鳴る。でもこれもトイレ入っても出ないんだなぁ。

普段がとても快調なだけにこういう不調にものすごく弱い自分。

この吐き気とお腹の現象の原因を絶対に解明してやる!と切実に思う。

そう思うことで前に進んだ。

進んだがどっかで寝ないともう無理だなとも思った。

まだ夜明け前の樹海の中、午前4時15分、最初に鳴き始めた鳥はヤブサメだった。

もう少しで精進湖エイド。仮眠しよう。

つづく。