真夜中の杓子山。
レース中の人の流れって不思議でどこまでも連なっているときもあれば前後に誰もいない一人旅のときもある。
一晩目のときは一人旅がほとんどだったような。だから自分は相当後ろの方にいると思っていた。そもそも第4ウェーブだしね。
途中のどこかで『ラストランナーのみなさ〜ん』というスタッフの声かけもあった。
でも杓子山に向かっているときは列はびっしり。お先にどうぞと譲ると延々後ろから人が来る。
岩場にさしかかるところは止まって待つほど。
けれどいくつかの岩場を行くうちに後ろも前も見えなくなった。
わたしは自他共に認める高所恐怖症であるが、夜であれば周りが見えないので岩を登っていても怖くはなかった。これ幸い。
杓子山というのは岩を何度も登ってもなかなか辿りつかない山。それがわかっていても大変だった。2018はここで夜が明けてきて鳥のさえずりが聞こえてきたので気持ちも明るかったが今回は山頂到着してもまだ暗く、思い切りカーンと鐘を鳴らしただけですぐ下山。
登る時は一人旅になっていたのに下りはまた隊列が続いていた。
ロープの張られたあの下り道。土嚢で何度も滑る。
後ろの男性に「先に行きますか?」と尋ねたら、そのままわたしの後ろでいいと言う。
そしてこの男性の声に聞き覚えあり。前の晩や日中もこの人後ろにいたなぁ。
やっかいな下りが終わって林道に出てから、近くにいた男性とも会話をしたけど、その人も前の晩にしゃべった人だった。なんだかんだみんなだいたい同じペースなのね。
富士吉田のエイドまでがとても長く、ダラダラ歩く林道で眠気が一気に来た。時刻は午前2時台か3時台。半分寝ながら歩いていた。
地面にある落ち葉や小石に一個一個かわいらしい顔が書いてあるのが見えていた(幻覚)。
まわり全員歩いているし、なんかレース中というよりトレラン講習会に参加してもう最後だからみんなで宿まで歩いているという終わった感満載だった。
富士吉田エイド付近に入ってからのエイドのテントまでも長かった。
なんかすごいライトの列が下っているのが見えていた。奈落の底がエイドか・・・。
そして、ようやく吉田のうどんにin!
二十曲峠から富士吉田エイドまで4時間ほぼ何も食べられてなかったけれどうどんは食べられた。
焼きそば、身延まんじゅう、田舎雑炊、豚汁、うどん。エイドのおもてなし食は全て食べている不思議。
補給食については見直しが必要だな。汁物はどんなときでも大丈夫そう。
あとお湯が大人気でしたね。今回のウォーターサーバー方式がとても良かった。
どこかのエイドではぬるめのお湯とあっついお湯を選べた。
ジェルを持つより、フリーズドライの雑炊やスープ、味噌汁が良さそう。
富士吉田エイドを出る頃には夜が明けてきた。残すは霜山のみ。
霜山の登山口までは住宅街を複雑に歩いていく。どこをどう歩いているのかわからないけど登山口までなんと45分もかかった。ここは走らなくてはいけないパートなのかもね。(まわりの人も全員見事に全歩き)
2018の霜山は暑くて、とても大変だった記憶しかないが今回は涼しくて快適。
とはいえ、またもや「お先にどーぞ」祭り。みんな上りが強いなぁ。
途中でラン友さんの熱烈応援団に会う。
今回も応援やボラスタッフに知った顔をみつけては元気をもらった。わたしも次回は応援かサポートかボラで参加したいと強く思う。
前日は真夏のような日差しと暑さだったのにここにきて、小雨が降り始めた。
とそのうち雨も激しくなる。寒くなってきた。
止まってザックからレインウェアを出して着る。
レッグカバーを上まで伸ばして保温する。
↓これ、上げ下げできて便利でした。タイツだと更衣室がないと脱ぎ履きできないので。
今回は最初の夜は寒く、二日目昼間はめちゃくちゃ暑く、二晩目はそれほど寒くなく、三日目はまた寒くなった。
気温差は15度近くあったかもしれない。
それでもザックの中にあるものでしのげる。怪我をしたら応急処置もできる。たった4キロだけどこの装備さえあれば100マイルも移動できるのだということが、最後にわたしをとても満たされた気持ちにしてくれた。
雨はそのうち止み、レインを脱ぐ。
誘導スタッフの方が『残り4キロです!』と教えてくれた。
残り4キロ!!!!
あと1時間で終わる?!
すみません。まだフィニッシュできず、次回につづく。