御前山までの道のりは長い。
第二関門を出てから御前山山頂まで1時間半かかっていたが、もっと長く感じていた。
わたしにとって7回目のハセツネ。(なんだったら逆周も3回している)
御前山が楽だったことは一度もない。
黄色のフィルターをライトに着けていても霧で視界は悪く、よく見えないせいもあってか眠くなる。今回は眠気がひどかったな。
雨はずっと降っていたがレイン上下を着て、レイングローブもしていたので寒さはさほど感じず。長袖とカイロまでも持っていたが使わず。雨もそんなには気にならなかった。
むしろ登っていると暑く感じるときもあった。
山頂が午前1時頃だから、そこからが一番辛い時間帯。
普段は午後9時台に就寝するわたし。深夜動くのは絶対無理なのよ!
そういうわけでこの時間帯についてはあまり記憶にない。
大ダワまでの下りも長くて前の人たちに必死でついていったり、ついて行けなかったり。
登り返しもありましたね。
何回か路肩でえずいたと思う。(これは朝までつづく)
でも大ダワまで来れば残り20キロ。なんとかなりそうと思った。
何も残ってないemptyな状態だけど。
大岳山までは走れるところがあるのだがほぼ走れず。走ると気持ち悪くなる。(信越の時と一緒)
諦めて歩く。
ポールを仕舞うか迷ったが仕舞わずに岩を登った。(ちょい邪魔だった)
なんか昔はこういうロッククライミングみたいなところは怖かったし、大岳山の下りもとても苦手だったのだけど今回は恐怖心はあまりなかった。寝てたのかしら?
怖くはなかったが時間はかかった。下りでもポールは仕舞わず。
結局、明るくなるまではポールを使っていた。
ポールがない方が手が塞がらないから補給もしやすいし、走れるし、タイムが速くなるような気がしたけど、終わってみて筋肉痛が今回はふくらはぎに全くなくて、前ももとお尻のみなのでやはり脚の負担は軽くなるのだなと実感した。
大岳神社まで降りて来たときにまだ辺りが真っ暗なことに気づく。
あれ?もしかしてこれ・・・間に合うん?
ずっと目標だった『日の出山での日の出』
2014年は10分間に合わず。
そのあとエントリーできなかったり、エントリーしても中止だったりしてやっと出場できたのが昨年。ご存知のように雨でドロドロでめちゃくちゃ時間がかかったので日の出は大岳山あたりで迎えた。
日の出の時間は5時45分。頑張れば間に合うかも!
そう思って急ぐ。もう空っぽなのに。。。
第三関門長尾平には午前4時45分くらいだったのでまだ暗かった。ちょっとベンチに腰掛けて休む。雨はまだ降っているし、時間が間に合ったとしても日の出は見られないだろう。
過去に出場した人から『日の出山の日の出はたいしたことないよ』と教えてもらったこともあり、それほど美しい景色でもないらしいし、のんびり行こうぜともう一人の自分がささやく。
果たして長尾平から日の出山ってどのくらい時間がかかるのか?
いつもはどんなレースでもタイムスケジュールを紙に書いて持っているのだが、今回は全く用意していなかった。たまには時間にこだわらず走ってみようと思ったから。
ツメが甘いんだよっ!
でもベンチから立ち上がった。ポールはすでに仕舞ってある。
日の出山へ急ごう。
御岳神社からゲロ吐きそうになりながら下って下って、そして緩やかに登りが始まる。
あの緩い斜度が真綿で締め付けられるような拷問だった。
これまでラスボスって大岳山だと思っていたけど今年は日の出山にやられました。
めっちゃ辛かった。
そして日の出山に午前5時半。
日の出に間に合った。なんも見えんけど。
でも嬉しくって、これがレース中に撮った唯一の写真。
あとは金毘羅尾根を下るだけ。
下るだけなんだけど、ちょいちょい登りがあるのはなんなんですかねぇ。。
雨は非情なことに止むどころか強くなってきていて水たまりだらけ、ぬかるみだらけの金毘羅尾根。
長い・・・
ここが気持ちよく走れれば最高なんだけど、もう空っぽだから。
たくさん抜かれた。最初に飛ばして潰れる失敗レース。その見本みたいのになっちゃった。
でもよく考えたら毎回そうじゃない?
成功したレースなんてあるかしら?(うまくいったことなどない!)
そんなことよりチームリザルトが残せたこと。
それが一番。
トレイルが途切れたところで誘導スタッフから「残り1.8キロ」と言われた。
路肩に止まって『残り1.8キロ』と夫とチームメイトにメッセを送る。
そのときにヘッデンを外して身なりを整えようかと思ったけれど、もういいやって。
そのままレインウェアのフードを被り、たらこキューピーみたいな姿でゴールの五日市会館を目指す。
たらこキューピーのフィニッシュがLIVE配信されてたw
H子ちゃんとMさんがおかえりーって迎えてくれて最高でした。
そのあとチップを外してくれたり、完走証をTシャツの袋に入れてくれたり、ココヘリをザックの底から出すのを「急がなくていいですよ」と優しく応対してくれたのが五日市高校の学生ボランティアさん。
彼らの優しさが本当に身に沁みました。ありがとう✨
泥だらけでゴメンね。
これにてレースレポは終わりですが、もう一回だけつづきます。