遅ればせながら『PERFECT DAYS』を鑑賞。
小さいシアターで一日一回の上映になってしまっていて、まあまあ混んでいました。
じわじわとクチコミで観る人が増えていく、そんな映画じゃないかなぁと思います。
ぜひおすすめしたい。
詳しいストーリーはサイトでどうぞ。
役所広司さん演じるトイレ清掃員『平山』の淡々とした日々が描かれています。
毎朝、同じ時間に起きて、身支度を整え、仕事をし、終わったら銭湯に行き帰りに一杯飲んで、夜は寝落ちるまで本を読む。
ガラケーを持ち、フィルムカメラで木漏れ日の写真を撮り、カセットテープで音楽を聴く。本を調達するのは古本屋。(古本屋店主のひとこと解説も良かった)
刺さる人には刺さる映画だと思います。
ルーティン人間の多いランナーには特に。
わたしは平山が毎朝盆栽の水やりをするところでノックアウトされました。
新聞紙でつくった植木鉢(折り紙の箱)をポケットに持ち歩いていて、休憩時間にみつけた樹木の新芽をまわりの土ごと持ち帰るシーン、良かったなぁ。あの折り紙の箱の折り方知りたい!紙コップの折り方とは少し違うのよね。
書物と草木を愛する平山。それは役所さんそのもののようでもあり。(実際、植木を育てているのが平山との共通点だとインタビューでおっしゃってました)
こうやって映画を振り返ってみると何から何までじんわりと良かったなぁと思えるシーンばかり。
けど観ているときは、よくわからない点もありました。
妹さんが高級車に乗っている、紅谷さんのお菓子(たぶんクルミっ子)を手土産に。
いくつかの”なぜなんだろう?”があったけど帰ってきてから監督のインタビュー動画を観たら納得しました。
ネタバレになるかもしれないのでインタビューは観ない方がいいかもです。
【第1弾】「平山という男は、どこから来たのか」ヴィム・ヴェンダース監督ロングインタビュー_『PERFECT DAYS』 - YouTube
監督が考える過去の平山。どん底にあって、あるいは死を考えたかもしれない。
そこから、光と木々に敬意を表すように暮らすことで想像したことないほど幸せな人間になる。世界の見方が変わる。
監督の解説がなくとも、ただ映画を観て感じれば良いのです。
わたしはこの解説でようやくわかったのでしたが。
姪っ子ちゃんに「今度っていつ?」と訊ねられ平山が『今は今、今度は今度』と答えるセリフも良かった。
そうだよね、今は今だし、今度は今度。
毎週水曜の朝ラン。同じ時間に家を出て、七里ヶ浜までは同じコースを走るけど同じように見えて全部違う朝。
(それを2015年7月から続けている)
平山ちっくな人は絶対ランナーに多いだろなと思う。
そしてわたしも平山と同じくいつもBOSSのカフェオレです!
あと次はこの本を読もうと思う。
追記
昨夜、『すばらしき世界』をアマプラで鑑賞。
そうか平山の前にこの三上がいたのかと腑に落ちた次第です。
役所広司さんスゴイ。