こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

小津安二郎の審美眼

またもや終了間際の駆け込みになってしまいましたが自転車飛ばして観に行きました。

www.chigasaki-museum.jp

小津安二郎生誕120年ということで今年は各地で関連のイベントや展示、上映があるみたいです。

実はわたくし、小津安二郎作品を一度も観たことがないので何も語れません。

茅ヶ崎にゆかりがある方だとはなんとな〜く知っていた程度。

蓼科に行ったとき、記念館みたいのがあったから蓼科にもゆかりがあるんだろうな〜くらいの知識です。

そんなでも今回の展示は見応えあり。

小津安二郎の世界への理解が深まりました。観に行って良かった。

 

タイトルに『審美眼』とあるように映画を撮るにあたって小道具や衣装への多大なるこだわりが伝わってきました。湯呑みや土瓶なども小津安二郎監督セレクトの逸品。

劇中の壁にかけられた絵や掛軸は東山魁夷など巨匠の名画。(めっちゃお金かけてる)

東山魁夷の絵の色に合わせてブルーの電話機を使うなど映画のワンシーンが一枚の絵画のよう。

今でいうスタイリストと監督と女優さんで着物を選定する様子の写真もありましたが、ものすごい数の着物・・・。そうやって選ばれ抜いたものを組み合わせて、美しい作品が生まれたのですね。

 

小津安二郎氏は多才な方で絵も相当上手い。装幀もされているし、ロゴのデザインも。

色紙にさらっと一句書いて周りの人にプレゼントするなんてこともやられていたそう。

撮影OKの色紙。湯呑み茶碗の色といい、形といい、お洒落〜

 

金澤の長土塀町の長塀に蝉なきやみて夕立のふる

金沢で詠まれた句が書かれた短冊もありました。

秋刀魚の味』のロゴもカッコよかった。

手描きのレタリングってほんといい。

デザインされたという監督協会の手ぬぐいの展示もありました。

 

没後60年ということだから作品はすべてわたしの生まれる前のもの。

田中絹枝、原節子司葉子など名前だけはきいたことある女優さんが出演されていて、父親役が笠智衆さんで娘が嫁にいくという話が多いのだいうことを知った。

当時は映画公開前に巨大なポスターが作られていて、そのポスターの展示もあった。

ポスターに書かれていた映画の料金は1947年は25円、1956年は70円。

小津安二郎監督作品一欄を観ると1937年からが松竹大船(その前は松竹蒲田)で製作され、茅ヶ崎ロケの作品が多い。1942年から1956年までの作品は茅ヶ崎館で構想されている。(1957年以降は蓼科高原で)

1956年の『早春』という作品に江ノ島に遊びに行くというシーンがあるので、この映画を観てみたいな。(不倫の話みたいです)

作品一覧はこちら→映画監督 小津安二郎|作品一覧

 

『ロー・ポジション』を体験してから帰宅しました🚲

 

うちから茅ヶ崎って走っていくと近いのに自転車で行くと遠く感じるのはなんでかな?