少し前にやたらとSNS上に広告が入り、気になっていた展覧会。
ちょうど所用があり上京の機会があったので観に行ってきました。
https://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/202312_michinoku.html
プロの仏師ではなく、地元の木地師や大工によって彫られた、その地域だけに祭られている民間仏を集めた展覧会です。
仏像展として記憶に新しいのは横須賀美術館で観た『運慶展』
運慶作のものとは似ても似つかないような江戸時代の民間仏。
見よう見まねで作ったのか、それともやってみるべと適当に彫ったのか?
とにかく"カワイイ"仕上がりのものばかり。
頭と身体のバランスもちょっとおかしいし、何より表情が脱力系。
ステーションギャラリーではガラスケースの中の展示ではなく、どれも間近で観られるようになっています。
八つの章に分けて展示されていますが、そのタイトルもユニークで『ブイブイいわせる』とか『やさしくしかって』とか『かわいくてかなしくて』など。
まさにブイブイ言わせたり、やさしく叱ったりしてくれるような仏さまの展示です。
民間仏のほとんどは作者不明なのですが、その中で大工 右衛門四良(えもんしろう)作のものが数多く展示されていて見応えあり。
大工さんだけど仏さまを彫ってみたらなかなか上手くできて、乞われるまま作り続けるようになったのかしら?
確かに他のトーテムポールちっくなものと比べて本格的。
あと展示品中一体だけ他の仏さまとは明らかに違うテイストのものがありました。
それが円空作のもの。
ずっと前に鎌倉国宝館で円空作の仏像に魅了されたことがあります。それを瞬間思い出しました。
円空は江戸前期の修験僧で生涯に12万体もの仏像を彫ったという説もあるくらいの人。
その円空仏を参考に作られたと思われる仏さまの展示もあります。(あんま似てなかった)
それぞれの地域で大切にされてきた仏さま。
それが一度にまとめて観られる贅沢な展覧会です。
仏像に詳しくなくても楽しめます。
ミュージアムショップでは仏像がプリントされたグッズが飛ぶように売れていたので、仏像というよりアニメなどのキャラクターって感じだなと思ったりもしました。
ステーションギャラリーは東京駅構内にあるのに駅の外に出てしまい、少し彷徨ってしまいました。この天井を見上げたの何年ぶりだろう?