こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

氷壁読了、ミヤマとは・・・?

井上靖氷壁』を読み終える。後半も地図を広げながら読んだ。
とにかく第十章を繰り返し読んだ。
魚津、人生最後の登山となった裏穂高登攀。
ルートはこの通り。7/12 滝の多い滝谷へ入り、まずは雄滝から登攀開始。10:40雄滝、12:00ナメリ滝、14:20頃からガスが出始める 15:30雪渓を登り詰める。ガスはより濃厚に。
このとき魚津はD沢の長い不機嫌な容姿に眼を投げていた。気難しい表情の山容という表現もしている。
その場所がこの地図の箇所です。ナメリ滝の横の青い点々の地図記号は何かわかります?
わたしにはわからなかったので調べましたら『万年雪』でした。ひとつ勉強になった。
このあと落石が続くようになるのですが、なるほど地図にも『浮石・落石注意』とあります。
とにかくこの小説は地図をみながら読むのが最高に楽しめました。まだまだ書くと長くなりそうなのでこのくらいにしておきます。

ところで鳥の話。
このとき徳沢小屋でかおるは裏穂高登攀から下山してくる予定の魚津と待ち合わせています。
朝、キョ、チョッチョッ、キョ、チョ、チョッレイと鳴く鳥が気になって小屋の娘さんに尋ねます。小屋の娘さんは「ああ、チロリンチロリン、リンリンリンですか」と答える。そしてあれはミヤマという名の鳥だと教えてくれます。
二人の鳴き声の表現のしかたがまるで違うんですけど!!
で、こびとくはミヤマというのだからミヤマホオジロなのかなと思いました。でもミヤマホオジロは確か冬鳥。
7月の上高地でさえずるのでしょうか?
ミヤマホオジロでないとすればミヤマとつくからには高山の鳥かなぁと思いカヤクグリの声を調べてみると鈴の音のような、という記述もあった。でも徳沢小屋あたりよりもっと標高の高いところにいるような気がして・・・。ではメボソムシクイかなぁとも思う。複雑な鳴き声なので。でも検索してみても「ミヤマ」と呼ぶかどうかはヒットしない。
ということで非常にモヤモヤしています。ご存知の方がいらしたら教えてくださーい!(追記・もしかしたらイワヒバリかなと思いあたりました)

氷壁』は山岳小説であるけれど恋愛小説ぽくもあり、魚津はかおると美那子という二人の女性の間で揺れます。この二人の女性がどちらもわたしにはうっとうしく感じられ、だけど登場しなければドラマにならないのかもしれなくてそこだけが不満といえば不満でした。