こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

ガングリオン

先月の話であるが、お客さまからのお便りにある提案が書かれていた。
それは、手持ちの靴に穴をあけることができないかというもの。そんなことをお願いしたら怒られるかもしれませんが・・・と添えられていたがそんなことはありません。
わたしがあけられる穴ならばいくらでもあけますよ。どうぞお持ちくださいとお電話をしたらすぐに持ってきてくださった。
市販のゴルフシューズである。
ちょうど親指の付け根のあたりに大きなガングリオンのあるお客さま。ガングリオンというのは良性の軟部腫瘍で中にゼリーがはいっていて、はれると堅くなり、あたかも骨のようになったりするもの。どんな靴を履いてもここがあたってしまっていつも苦労されているのだという。いつもはご自分でその箇所を切って穴をあけるのだが、このゴルフシューズの革は厚くて硬かったのでできなかったらしい。早速、履いてみていただいて、穴をあける場所に印をつける。ヌキで丸く穴を少しずつ開けてゆく。何度も履いてみながら、もう少し、もう少しとどんどん穴を大きくしていった。最後にほつれないように端をぐるりとミシンをかける。ちょうどガングリオンのでっぱりのところが開放されることになって具合がよいということだった。
良かったー。
全く難しい作業でもなく、でもこれで履けなかったクツが履けるようになるなんてそれこそ魔法のようだった。

このようにこびとくのできる範囲のことでしたら何でもやりますのでどうぞお気軽にご相談くださいね。手間がかかると工賃が高くなってしまうかもしれませんがお金のかからない方法もご一緒に考えてみることもできますので。

これは大磯の照が崎海岸。この前アオバトを見に行った。
ここは波で洗われたまんまるの石がいっぱいです。