こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

ミツバチの羽音と地球の回転

ずっと前から気になっていたのに観に行くチャンスを逃していた『ミツバチの羽音と地球の回転』を昨日、ようやく観ることができた。

瀬戸内海に浮かぶ小さな島、祝島。そこでは漁師さんや浜のおかあさんたちがきれいな海を守りたいと30年近くも原発建設に反対している。毎週月曜には欠かさず島では「ゲンパツ、はんたーい! えーいえーい おー!」と皆でデモ行進している。ハチマキ姿も筋金入り。
島民の平均年齢は75歳。その中で一番の若手孝くんも頑張っている。島の名産をネット販売したり、おいしいビワをつくることに精を出し、自給自足、エネルギーの自給もしたいと考えている。
漁師さんたちだって真剣そのもの。自分たちの暮らし、漁、海、島・・守るためには声を荒げて戦う。

一方、スウェーデンでは脱石油・脱原発を決め、着実に持続可能なエネルギーへシフトしている。そんなスウェーデンの人たちは日本の現状をきいて信じられない様子・・・。

このドキュメンタリー映画は2008年、2009年の頃の取材でそれは震災前のことで、もちろん福島の原発事故も起こっていない。だけど、今観ると本当にしっくりと腑に落ちる。

原発建設のため埋め立てる場所にブイを浮かべる作業を阻止しようと祝島のみんなが船をつなぎ、中国電力の船に抗議したとき、その船の帆先でスピーカーで話す中国電力の人の言葉がどれもひどい。

『海は絶対壊れません』
と言った。原発を建設しても環境は変わらないと。島の人たちに第一次産業だけでは暮らしていけないでしょうと言った。
わたしはたいして泳げないし、海みたいに背の立たないところは余計にだめだけど、このとき、海に飛び込んでこの中国電力の船まで泳いで行ってこのスピーカー持ったこの男性の足でもなんでも引っ張って海に落としてやろうと思った。どうしてこんな言葉を発することができるのか。こんなことを言える人が原発を推進しているのだ。きっと。

昨日、上映会場にはなぜかご年配の方々が多く、この映画のところどころで笑いが漏れるシーンがいくつかあったのだけど、わたしには一カ所も笑えるところはなかった。ずっとハンカチを握りしめて観ていた。とにかく何かがこみあがり続ける。


わたしのリュックにはこのカンムリウミスズメのバッジがついています。以前ブログにカンムリウミスズメについて書きました→
この鳥がこの上関原発建設予定地付近で繁殖している可能性があるというのに、中国電力は「カンムリスズメは確認できなかった」という調査結果を発表しています。しかし、それは間違っていて別の調査ではヒナも確認されています。

これ以上書くのはいつものんきなこびとく日誌らしくないのでやめておきますね。

この映画の自主上映会は各地で予定されています。湘南エリアではこのあと茅ケ崎、平塚でもあります。都内では27日から9月2日まで下高井戸シネマで上映されます。
ぜひ、ごらんになってください。