こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

アオバトのふしぎ・生き物のふしぎ

土曜日、お昼ごはんを食べているときにハタと気付いた。
今日の午後1時半からじゃん!!!まだ会期はあるとのんびりしてたけどこの日は樋口先生の講演会がある日なのだった。
急いで電車に飛び乗り博物館へ。講演開始5分前に入り口の行列に並び入場したらそこは『岩石』の講演会場で正しい場所はお隣の部屋でした・・・あぶなかった。

数年前に樋口広芳氏はハチクマの渡りの衛星追跡公開プロジェクトをされていた。FB上で日々更新されるハチクマの旅にわたしもドキドキわくわくしたことを覚えている。以来、わたしの中ではハチクマはヒーローであり、勝手ながら樋口"先生"とお呼びしている。
今回の演題はアオバトとは関係なく『鳥たちの旅ーおどろきの旅路を探るー』である。
鳥の渡りについては謎の部分は多いけれど、いろいろ解明されてきてもいる。
なぜ渡るのかについては食べ物が理由であることが大。
雑食性の鳥は渡らないものがほとんど。昆虫やその幼虫を食べる鳥は秋冬に食べ物が得られなくなるのでより南へ移動する。鳥は恒温動物なので寒さを逃れるために南へ移動するのではないという話だった。
日本など温帯地方は食物の季節変動が大きく、熱帯地方はその季節変動が少ないとのこと。
しかし、もう日本は温帯地方とは呼べないのではないかと思ってしまった。

鳥の渡り経路をいくつかアニメーションで見せていただいたが中でもおもしろかったのがカンムリウミスズメの移動経路。地球をまたにかけて移動するわけじゃなく、のんびりと日本列島をぐるりとめぐる旅をする。
4月、福岡県糸島市の沖合にある無人島から出発し、海岸沿いを南下し鹿児島の西海岸沖まで移動したあと逆戻りして北上、5月中旬には九州北岸を回り込むようにして豊後水道を通過。同月下旬には四国南岸沖を移動したのち淡路島方面へ。このあたりで2週間ほど滞在。
長くなるので端折りますがこんな調子で海上を海峡を好んで通過しながらときどき長期滞在をしつつ、ロシア沿岸まで行き、またもとの無人島に戻ってくるのが2月くらい。泳いで2万キロ以上の移動だというから驚き。
生まれ変わったらカンムリウミスズメになるのもいいな。
講演の内容を書き始めると本当に長くなってしまうのでここで終わりにしますが興味のある方はぜひこの本を読んでみてください。(わたしも会場で買いました!樋口先生がお話されていたことのほとんどが書かれています)

この日はこのあと二つの講演があったのだけど次の『ジャングルの動物と塩の話』(ボルネオ島のオランウータン)を聞いたところで退出。
講演会が16時20分までで博物館の閉館時間が16時30分なので三つ目の『すぐそこにある、生き物の不思議』の講演まできいてしまうと『アオバトのふしぎ』が見られなくなってしまうのでした。
博物館は土日ならせめて17時まで開館して欲しいものです。
そんなこんなで駆け足での博物館。結局、行き着いたのは地球温暖化、気候変動、熱帯雨林の伐採というキーワード。ボルネオ島熱帯雨林の減少のスピードは怖すぎるくらいでした。マレーシアの木材(ベニア板)の輸出先1位は日本です。

『アオバトのふしぎ』展、11/10までです。ぜひ時間に余裕を持ってお出かけください。