こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

ヒロシマ・ナガサキダウンロード

レイトショー上映の『ヒロシマ・ナガサキダウンロード』を観に行く。夫が某所でこの映画の監督さんと知り合ったことがきっかけで上映会のことを知った。
レイトショー&トークショーで終了時間が午後11時・・。(帰れない時間じゃん・・・いつもなら寝ている時間・・・)ともかく出かけた。

終戦後、かつての「敵国」アメリカに移住した被爆者たちがいた。原爆の記憶に苦しみ、後遺症への恐怖に怯えながらも、アメリカの大地で半生を過ごしてきた人々。あの日の出来事を、誰にも語ることなく時は過ぎようとしていた。
2009年、春。「自分」を模索し続ける青年2人が、 日本人の記憶の奥底に刻まれているヒロシマナガサキを辿る旅に出た。 原爆を体験していない世代が、頭だけではなく心で感じることは、可能なのか。残された世代は、被爆者から何を受け継ぎ、伝承していくべきなのか。アメリカ西海岸を南下しながら在米被爆者と共に笑い、共に泣いた彼等が、最終的に到達した答えとは。

過去5年間、南北米大陸へ渡った被爆者を収録し続けているメキシコ在住の竹田信平監督初の長編ドキュメンタリー映画。広大なアメリカ西海岸を背景に、在米被爆者の魂に迫るロードムービー


映画も興味深かったが、この日のトークショーのゲストがスペシャルだった。
なんと広島、長崎両方の原爆投下機に搭乗していたレーダー技師の孫にあたるアリさんだったのだ。
このレーダー技師のお孫さんが今回、広島、長崎を訪れたということはニュースで耳にしていたがまさかその当人がトークショーのゲストとは!!と映画終了後、ドキドキしてその人が現れるのを待つ。
監督、通訳と共に登場したアリさんはスラリとした長身の青年。
想像していたよりずっとお若い。23歳だそう。ショートパンツ姿のラフな格好で、ほんとに普通の(当たり前だけど)若者だった。お孫さんとはいっても相当の年配者だろうって勝手に想像していたのであれっ?って感じだった。
ヒロシマナガサキに原爆投下ってずっと昔の話のように感じているけれど、まだ66年前だ。わたしの生まれるほんの20年前の話だったのだ。今って平成23年って考えるとと急にその距離が縮まった気がした。
祖父のジェイコブ・ビーザー氏(故人)が原爆投下機に搭乗したのは24歳のとき。詳しいことは知らされずに搭乗したのだという。
「祖父は戦争を終わらせるために原爆を投下した」ということを話されたアリさん。

米国では原爆投下は日本の降伏に必要だったとする歴史観が根強いということを実はわたしは知りませんでした。
毎年8月になると放送される戦争をテーマにしたドラマや昨晩の池上彰さんの番組のような特番などや「火垂るの墓」などの映画から知る断片的な知識。学校では近代史は詳しく勉強しなかったから、太平洋戦争にまつわる知識は極めて少なくて偏っているものしか持ち合わせていません。

ものごとは一方の側からだけみるのではなく、反対側からも、逆さまにしてみたり、ぐるりと回してみたり、いろんな角度からつついてみたりすることも大切と感じました。
そして、このドキュメンタリー映画の中で過去の告白をする人たちの長年の苦労。あるひとつの悲惨な出来事がずっと一生つきまとうその辛さについて想像すること。全てのことに解決や答えがみつかるとは限らないということ。むしろ答えがみつからないことの方が多いのだということを感じました。
監督さんの言葉で印象的だったのは「この映画でダウンロードしたことを皆さんもアップロードしてほしい」ということ。
わたしは何かアップロードできるのだろうか?と疑問を抱きつつもこの記事を書いてみました。
まとまらなくてゴメンナサイ。

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ここのところの猛暑で次々と収穫がはじまってます