こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

剣岳 点の記

先日、『剣岳 点の記』を観た。映画に先駆け原作の方も読んでいた。とにかく新田次郎ファンのこびとく。
原作はすんごく良い。
まさしく『点の記』という感じなのだ。
小説の方を読むとものすごく映画のキャスティングが気になる。長次郎さんは誰?柴崎さんは誰???と。
映画化が難しい原作ではないだろうか。
原作を忠実に映画に再現するのは困難であろう。
よって、小説にはない脚色がなされたりもしているのであるが・・・。特に山岳会の人たちとの手旗信号のシーン。
なくてもよかったような・・・。

小説では案内人の人たちも一目置いた三角点観測のシーン。厳粛な感じがもっと映画で出てたら良かったのになぁ。この映画、『剣岳』ではなくて『点の記』だと思うから。

ぜひ、映画と原作両方楽しんでみてください。小説の方は最後に作者の取材手記みたいのがあってそれが良いです。ぜひご一読を。

そして驚くのはあの時代の登山の装備。
明治時代、案内人は蓑と笠です。そしてわらじ。要所では裸足・・・。
天幕ってテントのことだったんですね。雨に濡れるとすっごく重そう。
ほんとに現代ってなんて軽量で高性能の登山グッズが揃っているんだろうとしみじみ感じます。

あと特筆すべきは手ぬぐい。
タオルなんて使っていない時代ですからとにかく手ぬぐいが大活躍。寝込んでいる松田龍平さんの額にも濡らした手ぬぐいが置かれ、ほとんどの人が首手ぬぐい。主演の浅野忠信さんと山岳会のオシャレさん仲村トオルさんはスカーフぽいマフラー巻いてましたが。ラストシーンの長次郎さん(香川照之さん)の頭には松葉の柄の手ぬぐいがきっちり巻かれてました。手ぬぐらーとしては見逃せません!
11月にはメイキングムービー『撮影の記』が公開されるそう。そちらも楽しみです。
最終日に観に行っていたのでまたもやエッと思うほどの満員。年配男性の姿が多かった。
山の風景がスクリーンいっぱいに映し出されるとため息が漏れてました。登山愛好家って多いのね。


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