予定より20分遅れだが去年より30分くらい早く到着した60キロ笹ヶ峰エイド。
ここではドロップバッグが受け取れ、ペーサーと合流できる。
昨年はINした途端にドロップバッグを渡される早業だったので今年も手前でゼッケンナンバーをチェックされて計測マットを踏むと同時に受け取れるのかと思っていたが、あれは関門アウトになっていたからに他ならず・・・自分でドロップバッグコーナーに受け取りに行く。
激しい雨の中でエイド食コーナー(ここだけ屋根がある)には人がひしめき合っていてJunさんの姿をみつけられなかった。
『ついた』
『エイドにいり』
とまた暗号的なメッセを送信。エイドにいますと伝えたかったみたい。
ほどなく名前を呼ばれて振り返るとJunさん💕
思ったより早かったとお褒めの言葉をもらう。
すぐに着替えたい旨を伝え、更衣テントに案内してもらう。
笹ヶ峰は広い場所だがどこに更衣室があるか全くわからず。ひとりだったら途方にくれてドロップバッグ抱えて放心状態になっていただろう。
Tシャツ、短パン、靴下を替えて、ゲイターを履く。
靴下が先かゲイターが先かとか順番わからず苦笑。下手すると足が攣る。
テントはすでに水没しており、床のシートもびしょ濡れだった。着替えもJunさんに手伝ってもらえたので時間短縮できた。
補給食を入れ替え、使わなくなったものをドロップバッグにもどし、キャップ、二等兵帽になるピラピラをヘアバンドと取り替える。ヘッドライト装着。
缶カフェオレとボディメンテゼリーを握りしめテントを出る。
カレーを小盛りにしてもらって食べる。カフェオレ飲んで(おいしかった!)ボディメンテゼリーも食べて、ドロップバッグの返却やゴミ捨てをJunさんに託す。
エイド滞在は22分。少し長すぎたがこの時点でもう完走できる気分になっていたわたしはなんてあまちゃんだったのだろう。
エイドを出てすぐに雷が鳴る。身をすくめたがここからは二人なので全く怖くはなかった。
関川の暑さがヤバかったこと、大雨が降ってきたこと、スマホが濡れて送信できなかったことなどマシンガントーク。まるでお母さんに今日のできごとを聞いてもらっている子供状態だった。
そしてここからわたしの記憶はあいまいになっていく。
キャンプ場→牧場→乙見湖→垂直の階段・・で合ってますかね?
明るいうちはまだ記憶がある。
雨が止んだのでベンチのあるところでレインウエアを脱いでザックに仕舞おうとした瞬間にまた雨が激しく降り出したこと。
誘導のおじさんに「おっ!美女二人!がんばって」と言われたこと。(ひとりのときはこういうこと言われたことねーよ)
Junさんからは走れるところでがんばって欲しいからココは歩きましょうと言われて温存したり、走れる下りはしっかり走ったり。
関川の宴会隊エイドのところの公衆トイレに入ったきり、黒姫でも笹ヶ峰でもトイレにいっていなかったので70キロ西登山道ウォーターエイドでトイレに行こうと思ったのにそこにはトイレがなかった。トイレはその6キロ先の大橋林道エイドと言われた。ここでガッカリした女子は多かった模様。
大雨の影響でトレイルはドロドロになっており、田んぼの中を歩くよう。
登りでドロドロなところは時間がかかった。
ドロドロだけではなく水たまりに突っ込んだり、ちょっとした小川になっているところをズブズブ入ったり。水が冷たいところもあってつま先が冷えてきたようにも思ったが寒いとまではいかなかった。今回は暑さに見舞われるレースではあったが通常だとこんな風に雨が降って、ここまで濡れると冷えを気にしなければいけないレースになるのだと思う。
ロングレースは本当に難しい。
登りはめちゃくちゃゆっくりしか進めなかったが下りはぬかるみがあっても走れて、とにかく時間を稼がなきゃとJunさんの前に出て走るシーンもあった。76キロ大橋林道エイドまでは。
エイドでトイレに入り、椅子に座ってパタゴニアのスープを飲む。
麦茶があったので自分の麦茶のフラスクにプラスする。これまでは水を入れて粉の麦茶を溶いていたので麦茶そのものがあるのは有り難かった。
エイド滞在は8分ほど。本当はもっと早く出なくてはいけなかったと思うけど、あまり頭も回らなくなっていた。このエイドを出てから戸隠まではますます記憶があいまい。
急激に身体が動かなくなってきていて前を歩くJunさんがどんどん遠のく。
後ろからどんどん人が来て抜かれる。
今レース中の人の中で誰よりも自分が一番遅いと感じてしまう。
今回Junさんがすごかったのはコースが頭に入っていて、この先は登るとか下るとか、地面が岩がちになるとか、この先はこうなって、ああなってと説明してくれたこと。
わたしは2019年に通っているはずだが全く覚えていない。
赤い鳥居がたくさん並んでいるところがあったがそこも覚えてはいなかった。
記憶にあるのは牛の目が光っていたこと。(全く役に立たない情報w)
どんなコースかは覚えていないが、とにかく急がないとダメだということだけは理解していた。笹ヶ峰では予定の20分遅れだったが、今はもっと遅れが生じていることもわかっていた。
わかってはいるけれど走れなくて、歩きも遅くて、せめて下りは走ろうと思うがすぐに路肩でえずくようになってしまった。
吐けば楽になるのかもしれないけれど吐けない。つばが出るだけ。
でもえずくとそのあと楽になるのでちょい走ってはえずくというのを繰り返す。
補給が全くとれないのかといえばそうではなく、無理くり黒糖わらびを食べたりはしていた。
ストレス性のものなのだろうか?逆流性なんとかというような症状。。
書けば書くほど悲しくなってくるので端折りますが、ゾンビ状態でした。
Junさんが「星がきれいですよ」って言ったので夜空を見上げる。
「ほんとだぁ〜」と答えたのだけど、今記憶の中には綺麗な夜空はない・・・。
全く余裕がなかった。
途中までなぜか関門時間を間違えていて、スタートから戸隠関門まで18時間半あると勘違い。(実際は18時間)
なのでこんな状態でも戸隠の関門には多少余裕があると思っていて、エイドでトイレに入るよりはと途中の公衆トイレに入る。だけど本当はそんな時間などなかった。
自分の勘違いに気づき、もはや88キロ戸隠エイドの関門に間に合わないのかと思いきや、エイドには3分ちょい前にIN。
ぐだぐだと長くなったので切ります。
続きは次回に。
鉄板以外の写真は撮らなかったと思っていたけど一枚だけありました。
そばの花が咲いていたのがきれいだな〜と思って。