こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

丹沢夜話

10月の探鳥会のときに見た『天狗ブナ』どうして天狗ブナと呼ばれているのかなぁと調べてみたら天狗さんことドイツ人のハンス・シュトルテ氏のお気に入りのブナだったそうで著書の『続々丹沢夜話』に登場するとのことで興味を持ち、読んでみた。
続々というだけあってこれはシリーズ本の3巻目。本来なら刊行された順に読みたいところだけどま、いいかと読み始めた。
『続々』では高山の山歩きをドクターストップかけられた天狗さん。考えた末、籠坂峠からの三国山稜ならば300m登るだけで標高1300mの山に到達できると足繁く通ったらしい。わたしにもおなじみの今でいうところの「富士箱根トレイル」の春夏秋冬が満載の一冊。特に冬のシーンがなんとも。
楽しく読了し、次は『丹沢夜話』にとりかかる。
発行は昭和58年とあり、もうすでに50年も丹沢を歩かれているとあとがきにあった。なので戦時中だったり戦後すぐの丹沢も登場する。塔ノ岳の尊仏山荘ができたときのことなども。
天狗さんは栄光学園に赴任していたので札掛にある栄光ヒュッテに学生とともにしばしば滞在し、新大日から長尾尾根を下り、札掛に至るコースもよく通っていたようだ。わたしもこの静かな尾根を今年初めて知りすっかり気に入った。札掛に降りたときのあのモミの木などの巨木にも圧倒された。そのときのことを思い出しつつしみじみ読みふける。そのときの記事→
その昔、秦野からヤビツ峠へのバスは菜の花台で5分ほど運転手の休憩タイムがあったそうだ。のんびりした微笑ましいエピソード。

細かい点では今と違う点が多いのだろうけど、全体を通してそれほど変わったという印象はないのが驚きだった。丹沢は今も昔もそこにある。
アクセスがよく神奈川県民にとっては身近な丹沢。
この本を読むとより一層好きになると思います。
さて、次は『続 丹沢夜話』にとりかかります。