こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

拾った羽根から

葭池温泉めざして紅富台から富士箱根トレイルに入り、三国山に向かう途中のどこかで拾った羽根。上・カケス  下・キビタキ
小さくて黒っぽい羽根は確定が難しいのだけど去年も同じコースで同じような羽根を拾って「キビタキだったらいいなー」と思ってたことを過去ブログで知る→
今はわからなくてもそのうちわかる日がきっと来る。だから何でも「こびとく日誌」に記します。

そして昨日、江ノ電藤沢駅を降りてJR藤沢駅方面に向かっていたとき通路の脇の花壇の土の上にたくさん羽根が落ちていて、ああ、やっぱり夏は換羽期なんだなぁとぼんやり思っていたときに目に入った白斑のある羽根!拾おうと思ったけどたくさんの人が歩いていたのでとっさに拾えずスルー。でも気になって電車の中で検索。
やっぱりそうだった。ムクドリではない。きっとコムクドリ!!
藤沢駅の街路樹は夕方になると何千羽ものムクドリが集まってくる。ここをねぐらにしているのである。
なのでたくさん落ちている羽根のほとんどはムクドリ。(もしくはドバト)そう思い込んでいたのであるが・・・。
数時間後の帰り道、もう一度花壇みつめながら歩いていたらまだありました。というか誰も拾わないよね?
うちに帰って洗って乾かしてみたら先端にギラッと光る部分も現れてコムクドリと確定。

これまで全くのノーマークだったコムクドリという鳥。つい10日ほど前に初めて近所でその羽根を拾って、そしたらまたこんな風に拾った。絶対にこれまでも落ちていたはずなのに全然気づいてなかったのだと思う。

見えているのに見ていない。そんなことのなんと多いことか。
ムクドリは東南アジアや台湾、中国南部から5〜6月頃に日本に渡ってきて北海道や本州中部以北で繁殖する鳥。繁殖地は日本近辺に限られるそう。神奈川県内では繁殖例は少ないらしく、繁殖地に向かう4~5月くらいか繁殖を終えて越冬地に渡る前の7~10月上旬に観察されるそう。
ムクドリに混じってねぐらをとる。あの大群のムクドリの中に混じっているとは思ってもみなかった。
ムクドリを追い出したりしないムクドリは意外と大らかな気の良い奴らなのかもな。
そして時期がくればコムクドリはひっそりと去っていく。
渡る鳥(コムク)、渡らない鳥(ムク)の苦労を比べるとどうやっても渡る方が大変だと思うのだけどイバラの道を選んだコムクドリ
いや、同じ場所に大人数で留まるのも苦労は多いのよとムクドリに言われそうですが。

夏に渡ってくる鳥を夏鳥と呼びますが、神奈川においてはコムクドリは渡りの途中に立ち寄るだけなので"旅鳥"ということになります。気温が高いと繁殖が早期化するという研究結果があり、ツバメなどと並んで温暖化の影響を受けやすいという記述もありました。この夏の猛暑は本当にいろんな生き物に影響を与えていそう。
ニンゲンだけエアコン使って快適にしていてそれで本当にいいのかな。