こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

岡田淳の世界

鎌倉文学館で開催中の『岡田淳の世界』展へ文学館では「子どもたちへ、未来シリーズ」として毎年この夏休み期間中はお子様も楽しめる展示をしています。
ルドルフとイッパイアッテナ』の斉藤洋さんや『わたしのワンピース』の西巻茅子さんも過去に登場。毎回素敵なセレクトで楽しませてもらっています。

さて岡田淳さんですが挿絵のキャラクターを見て、見たことあるかもと思ったもののその作品は読んだことがありませんでした。「こそあどの森」シリーズも図書館の児童書コーナーで目にしたことはあったかもしれないが不覚にも手に取ったことがありませんでした。わたくしとしたことが・・・。
それもそのはず、わたしの子ども時代には作品に触れることはできなかったわけで(1947年生まれ)、新しい世代の児童小説であります。
38年間図工教師をされていたということで文だけではなく絵も手がけられた作品が多いです。「やまださんの庭」とかすごいほのぼの。「ネコとクラリネットふき」のようにネコもよく登場しています。
『びりっかすの神さま 』は絶対読もうと思います。(読んだら感想書きますね)
今、小学生の子どもたちにぜひとも勧めたい作品ばかりです。

展示会場の一室に本を読めるコーナーがあり、岡田氏のエッセイを少し読みました。
学校の図工準備室を少し暗くして雑多なものを置き、不思議に満ちた雑然を演出した岡田先生。
『あの戸棚の向こうはどうなっているのだろうという感じ。暗くなると想像力の育つ余地が生まれる。明るすぎると物語は生まれにくい。』『これはほんの一部でむこうのほうにずっと続いていて千個も二千個も果てしなくあるのではと思わせたい。』
これと同じようなことを宮崎駿さんも言ってたっけ。宮崎さんは汲み取り式便所の暗闇の向こうは想像力をかきたてるというようなことを言い、隅々まで蛍光灯で照らすのはどうなのかと疑問を投げかけてました。

そして岡田氏はこんな風にしているのは「ドリトル先生の台所」と関係があると述べています。
こどものときに読んだドリトル先生航海記。台所で肉を食べるシーンの記憶。はっきりとビジュアルで覚えているのに大人になって読み返してみたらそのシーンには挿絵がなかったそう。
子どもの未知なる想像力。
わたしも子どものときにドリトル先生シリーズとやかまし村シリーズは何度も読み返しました。大好きだった。3歳上の従姉妹のお下がりの本でドリトル先生は従姉妹が読み終えないともらえないので「早く読んでくれますように」と祈りながら次回作を待ったものでした。そしてこれらは少なからずその後のわたしに影響を与えていると思われる。
靴つくりの仕事についたのも、職人さんの仕事場や道具類に惹かれたから。
作業場が描かれた絵本をコレクションしているということを書いたばかりですが自分の仕事場もそういう不思議に満ちた雑然にしたかった。
ま、今は単に散らかってるだけ(片付け苦手〜)の作業場なんですけど。
掃除しなきゃな〜