こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

片刃の和包丁

ずっと前にTVドラマ(将太の寿司だったと思う)で寿司職人の見習いくんがかっぱ巻きを4等分に切れと命じられ練習するシーンがあった。
まず、半分に切り、それをさらに半分に切って4等分する。そして切り口を上に皿に並べると・・・。
切り口がななめになっており、高さがバラバラ。何度挑戦しても同じ。長さが等分になっていても切り口がまっすぐじゃないと高さが奇麗に揃わないのである。
散々,切って並べるということを繰り返したのち、見習いくんは気付くのである。
包丁を垂直にして切ると,切り口が斜めになってしまうということに。
片刃の和包丁は包丁を垂直に入れたのでは切り口は斜めになってしまう。垂直に切るためには包丁を少し寝かせなくてはいけないのである。そのことに気付いた見習いくんはめでたくキレイに切り口の高さがそろったかっぱ巻きのお皿を完成することができたのだった。


靴の場合の革切り包丁も片方にだけ刃をつける和包丁の部類に入る。だから特にカーブのところなど気を付けないと切り口が斜めになってしまう。
時には、裏包丁(普段とは反対向きに包丁を使う)にするときもあるので、切り口には要注意である。

洋包丁が両刃でまっすぐ切ることを得意とすることから考えると、技術やコツを必要とする和包丁ってなんて面白いのだろうと思う。