こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

あんとモリと日日是好日

なんとか諸々納まって、仕事場の掃除も終わったのでぜんざいを煮ました。小豆の香りを嗅ぎながら、鍋をのぞいていたら映画『あん』のことを思い出した。
原作を読んだときに徳江さんは樹木希林さんと重なって、どら春の店長さんは永瀬さんしか浮かばなくて、頭の中で小説は映像化されていたので映画は観なくてもいいや、って思っていましたが近くで再上映の機会があり観に行けました。
作者のドリアン助川さんによると小説を書いている時点ですでに徳江さんは樹木希林さんのイメージで出来上がっていたそう。映画化の話が出たときに樹木希林さんにお手紙を書いて出演を依頼したようです。
何もできなくても、誰のためにもなれなくても、それでも生きているだけでいいのだということをこの映画から教わりました。ここにいていいのだと。
だから涙が止まりませんでした。

しばらくして見逃していた『モリのいる場所』にも観に行けました。これもアンコール上映。
熊谷守一という画家のことをこれまで知らなかった。映画を観たら、超絶好きになった。
そのモリを本人そのものに演じていた山崎努さん。奥さん役が樹木希林さん。
俳優さんってほんとすごいよなぁとしみじみ思いました。

そして樹木希林さんがお亡くなりになったあとで公開された『日日是好日』は公開されてすぐに観に行きました。お茶の武田先生が樹木希林さん。こんな方が身近にいてくれたら・・・。
四季折々の様子がとても良かった。季節の和菓子も。
年明けの初釜を毎年開催することができる、これが幸せなことですよねぇと武田先生。
お正月の準備とか面倒くさいだけだし、ミシンや漉き機のパーツ外して掃除してって28日じゃなくってもいいじゃない?って思うのだけど、九日飾りと一夜飾りはダメという教えだけは守って今年もやりました。

映画の感想に全然なってないけど今年はそれなりに映画をたくさん観た年でした。
『永い言い訳』も映画、小説ともに良かった。
ジム・ジャームッシュ『パターソン』も良かった。
『羊と鋼の森』は小説の方が良かった。
『ボヘミアン・ラプソティ』は2回観た。
来年もできるだけ劇場へ足を運ぼうと思います。本もいっぱい読みたいな。