こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

予定通りだけど予想外(SPA TRAIL完走しました!)

SPA TRAIL完走しました!!
後半はずっと関門時間に追いかけられ、生きた心地のしない実に危ういレースでした。
ゴールは制限時間の10分前くらいで目標タイムの予定通り。
しかし、内容は予想外のキツさ。いろいろ記憶も飛んでいるような・・・。
思い出せる限り記します。

小雨の中スタート。四万温泉街を通過するコース。朝の5時だというのに旅館の前には着物姿の仲居さんたちがずらりと並んで見送ってくれたのには感動した。このレースは各所で熱のこもった応援をしていただけて、『山を走るな』と冷たい目で見られることの多い昨今、涙ぐみそうになるくらい嬉しかった。
最初は11キロの林道の登り。数キロの時点でいろいろ間違っていたことに気づく。練習は峠走が必要だった。シューズももっと走れる方のものを履いていた方が良かった。ザックは必携品の他にも万が一に備えいろいろ詰め込んでいて重すぎだった。まわりのみんなのザックはかなりコンパクトに見える。まわりのみんな速い!
鬼のように抜かれていく。今回女子5人で同宿だったのだけどその仲間たちにも次々抜かれる。
途中から同宿のM子さんと最初のウォーターエイドまでは一緒に走る。彼女が走るとわたしも走る。彼女が歩くとわたしも歩く。ひとりだったらもっと歩いてたな。
登って下って第一エイドまでちょうど3時間。すでにクタクタ。残り50キロあります。考えたくない。
野反湖まで長い長い登り。もう嫌〜〜〜
でもパァ〜と開けたこの景色に感動。
レンゲツツジが満開でとても綺麗。少し霧がかかって幻想的。
第二エイドではうどんを食べた。めんつゆが身体中に沁みていく カ・イ・カ・ン

その先には高山植物もちらほら。もっとゆっくり観察して写真を撮る時間が欲しい〜
最高地点1653mの弁天山付近も小さな花が咲いていた(名前調べたかった→調べた・コイワカガミ、コツマトリソウ、アカモノ)。かなりつらかったのでずっと前後していた女性に話しかけてみる。彼女は群馬在住でこのレースには毎回出ているとのこと。下りがすごく上手い人でこの後もいろんなところで引っ張ってもらうことになる。

弁天山からの長い下りはフカフカのトレイル。極上の下り。
群馬の彼女の背中は見えなくなってしまった。

ヤマボウシの花がいっぱい。こんなに綺麗なのに先を急ぐしかないなんて。鳥もいっぱい鳴いているのに〜

第三エイドでまいたけ汁。ここは足湯もある。足湯に浸かりたい。でもそんな時間はない
ここで群馬の彼女と再び合流。やっぱり常に前後していたご夫婦で参加されていたYK子さんにも。レース中ってなんか戦友みたいな感じになれるのよね。言葉少なだけど背中をポンッて叩いたりして。頑張ろうね、絶対ゴールまで行こうねって。グンマーの彼女、わたし、YK子さんの三人のトレインになって気持ち良く下った区間があった。
そこは楽しかった。
でも他は・・・
そのあとはスパトレ名物の世立八滝の鬼梯子階段・・・。今年はそれを登るところに特設関門が設けられていた。
間に合うかな?大丈夫? たぶん大丈夫だから走ろう
でもむしろ関門に引っかかった方が幸せかも。
わたしの耳元で天使と悪魔が交互にささやく。

特設関門を通過し、階段にとりつく。休んでいる暇はない。階段はゾンビの行進。ふらふらになりながら手すりにつかまってよじ登る。止まったら動けなくなりそう。止まるな、足動かせ!
登り切ってももその先の関門を通過できるかはわからない。やっぱり関門に引っかかった方が幸せかも。
そんな弱気になるのを諦めたらダメーともうひとりのわたしが気合を入れる。いや、天使が励ましてくれているのか・・
なんか人格が崩壊している。(恐ろしいことです)
そんな状態だったけど第四エイドに滑り込みセーフ。かりんとうとキューリいただく。
あとは第五エイドのみ。

覚えてますか?レース前に作ったタイムスケジュール。各関門ピタリ賞
後半は関門時間10分前の通過じゃないと厳しいという話だった。全てキッチリその10分前の通過だった。
第五エイドに11時間20分in。そばをいただく。花豆も。カブのお漬け物がおいしい〜 きゅうりに塩をつけてかじる。と「関門はoutの時間です〜」とのアナウンス。なぜここだけinじゃなくてoutなのさ〜
そばをかきこんで慌てて出る。今回はエイドのおもてなし全て完食した★
残り8キロ、1時間半。ゴール間に合うのかはわからない。
歩いていては間に合わないのは確か。走れるところは走ろうと思うけど最後の最後まで登りの連続。
鏑木さんはゆるーく走れる登りだと言っていたけど平坦ですら走れなくなっているから走れるはずもない。悲しい
確か残り2.5キロで残り時間35分くらいだった。周りはほとんど歩いている。これは歩いても間に合うからなのか諦めて歩いているのかわからない。わからないけどお前は走れ!
どこかで諦めると終わりな気がしたから。
残り2キロ切ってるはずなのに(時計は省エネモードにするのを忘れとっくにバッテリー切れ)まだトレイルの中で登っている。ゴール近づけばその喧騒が聞こえるはずなのに気配すらない・・・
一体どうなの〜〜〜〜
と絶叫しそうになったところでトレイル終わり。ロードに出た。あとちょっとだ。
けれど登っているんだなぁ〜これが!

ゴール付近では同宿の仲間と応援に来てくれた夫が出迎えてくれた。一緒に喜んでくれてる。
それが心底嬉しくて。諦めなくてよかった。
いつも思うけどこの瞬間だけのために全てがあるのだ。
どのレースでも完走危ういけど今回のは格別だった。一緒に励まし合って走った知り合いや通りすがりのランナーさんのおかげ。スタッフ参加していたラン友さんもエイドで毎回声をかけてくれた。夫も途中でサプライズ応援してくれた。エントリーしたときはひとりで参加のつもりだったけど実は知り合いもたくさんエントリーしていて旅は道連れ的なレースになった。

きつかったけどやっぱり終わってしまえば楽しかったという印象しか残らないんだなぁ・・・
変なの。