こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

コアジサシのお手伝い

コアジサシの人口営巣地作りに参加してきた。コアジサシはチドリ目カモメ科の鳥でもうすぐオーストラリアなどから日本に渡ってきて子育てをする水辺の鳥。河原や砂浜で集団でコロニーを作るのであるが、昨今はそういうことも難しくなってきており、絶滅危惧II類となっている。
そういうわけで、我々ニンゲンの手で人工の営巣地を作ってあげようというのが今回の企画。
酒匂川河口近くの中学校の屋上に白石を撒いて営巣地をつくる。
集まった20人ほどの人でまずは石袋を担いで屋上に運ぶ。もちろん、中学校はエレベーターなしの4階建て。男性は石袋を肩に乗せ、女性は袋ひとつはとても持てないので中味を出してバケツで運ぶ。かなりの重労働であった。何度も何度も階段を往復する。首に巻いた手ぬぐいで汗をぬぐいながらの作業であった。
運んだ石は3種類。大きめの石、白い小石、グレーの小石。まず大きめの石を散りばめ、その周りに白い小石をばらまく。その白の上に少し色のついた小石をばらまいて熊手でならす。
広がった石をみるとなるほどコアジサシカラーである。白とグレーがまだらに入り混じって保護色となるのだ。
コアジサシは4月下旬(最近ではどういうわけか飛来してくる時期がどんどん遅くなっているそう)くらいに大磯の方から飛んでくるのだという。この場所をもし気に入ってくれる最初の勇気ある好奇心旺盛なカップルがひとつでもあれば、あとはどんどんいらっしゃってくださるとのこと。きっと空からでも目立つ場所だろうと思ったが、コアジサシに目立つということは卵やヒナを狙う猛禽類にとっても目立つ場所ということでこの人工営巣地で繁殖に成功するかどうかはわからないとのことだった。
さて、石をならした後、登場したのがコチラ↓コアジサシのデコイである。これを石の上に置いて仲間を誘うのである。みんなで願いを込めながら石の上に置いて行く。


結構、いいかんじ。
後方に見える木の台はシェルター。猛禽類やカラスに襲われそうになったときにそこへ逃げ込むのだそうだ。

こういう試みは日本各地で行われている。先日も仙台の蒲生干潟で行われていたのをNHKで観た。皆さんもチャンスがあれば参加してみてくださいね。デコイ作りのワークショップなんかも行われているようですよ。

それにしても絶景の屋上だった。目の前は大きく広がる海。潮風がほんとに気持ちよくて・・・。でも当然のことながら通常は立ち入り禁止エリア。こういった試みが実現できたのも小田原市の協力があったおかげだときいた。市の担当の職員の方も一緒に作業してくださった。おまけに差し入れにお茶もくださった。小田原市ってすごいんだなぁと思った。

今後もこういうボランティアにはなるべく参加しようと思った次第である。

あそこでもしかしたらコアジサシが卵産んでいるのだなぁ〜と離れているところから夢想できるということが一番の楽しみ。