こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

アルフレッド・ウォリス展

アルフレッド・ウォレス展を観に横須賀美術館へ行く。前回、横須賀美術館に行ったときにこの展覧会のことを知りぜひ観たいと思っていたのだ。70歳から描き始めたというアルフレッド・ウォレス。しかも独学で。なんという遅咲き!彼は21歳年上の妻が88歳で先立った(当時彼は67歳)その三年後から猛然と描き始めたのだ。写生などは一切せず、イーゼルを立てることもせずただ机に向かい黙々と描いたのだそうだ。アイデアやイメージはすべて頭の中にあったのだ。船乗り、船具商であった前半生を反映させる帆船や灯台が多くモチーフになっている。キャンバスではなくその辺にあるボール紙や板に船に塗るペンキや油彩で描いている。四角い紙ばかりでなく、不定形に切り取られた紙にも生き生きとした構図で描いているのがすばらしい。本国イギリスではかなり認知度の高い作家なのであるが日本ではまだほとんど知られていないということなのでぜひ、横須賀美術館でのこの展示をお勧めしたい。
ほんとに船の絵がいっぱいで普段美術館に足の向かない人でも充分に楽しめると思います。


それにしても最近の美術館ってどれも「白い箱+緑の芝生&ガラス張り」ってかんじですね。先日の金沢21世紀美術館もそうだったし、葉山の美術館もそう。どれもステキですが横須賀美術館は屋上もありそこから海も眺められてなかなかです。そしてやはり谷内六郎館も併設なのがいい。今回の展示は1958〜1959年の表紙絵。1959年に谷内氏は体調不良のため半年ほど療養されていた。その間、週刊新潮の表紙は過去の作品を使っていたそうで新潮デビュー前の貴重な作品群が観られるのだ。

アートに触れるというか描きまくっている画家さんの勢いに触れると自分の中にエネルギーが満たされるのを感じます。そんな風に充電中の夏のこびとくであります。

美術館まわりの散策路では可憐な花も。
こういうのにも満たされる。