こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

履きやすい靴とは?

注文靴で大切なことって何でしょう?木型だっていう人もいます。素材だという人もいます。いや足にあったインソールだという人もいます。そしてこれはどれもその通りだと思います。だけどこびとくでは木型からのオーダーはやっていません。すごく高級素材を使っている訳でもありません。足底板を作る知識や技術も持っていません。(あんまり堂々と宣言しちゃいけないけどね)
じゃ、ダメな靴なのかというとそういうことでもないと思うのです。ときどき何足も同じ靴をオーダーしてくださるお客さまがいらっしゃいます。こびとくとしてはもちろん同じように作っているつもりです。けれども履き心地がそれぞれ違うというときがあります。同じ木型を使っているのに?!紙型も同じなのに?と不思議に思います。原因がわかりやすいのは底材が違っていたり、甲革が違っていたりすること。柔らかい革と硬い革では同じ靴を作っても履き心地は違ってきます。甲革と底材のバランスが悪いと履きにくい靴になったりもします。デザインと使う革と底材のバランスも大事です。この話を始めちゃうとキリがないのでやめときますが、この写真のチャッカ−ブーツも今までに三足同じものを作っていて、「これが一番履きやすい」といわれたものです。そしてこの一番履きやすいものと同じものを作ってくださいというオーダー。この靴を作ってからすでに5年以上経っています。でも紙型も木型も材料のデーターも揃っています。つまり物理的には同じものは出来るはず。しかし、同じ履き心地かどうかを決めるのはこびとくではなくてオーナーさんというところが注文靴のナンギなとこですね。

久しぶりに今日おしもUPしました。最近このブログ読者になった皆さま、『今日のおしごと』はサイドバー右上から飛べます。こちらには靴つくりのおしごとの様子を日々UPしてますので靴つくりに興味のある方はのぞいてくださいね。小ネタが多いですけど・・・。