こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

うつわの彩り

茅ヶ崎美術館で開催中の『うつわの彩り−吉田耕三と北大路魯山人』展へ。

www.chigasaki-museum.jp

北大路魯山人の名前は誰もが知るところではあると思うけれど、何をしていた人?というのは案外知られていないようにも思います。

実はわたしもそうで『美食家で趣味で陶芸をやっていた人』という誤った認識で、あとは"美味しんぼ"の海原雄山のモデルになった人だっけか?と思っていた。

実際には陶芸家であり、書家、篆刻家でもあり、料理家、美食家などいくつもの肩書きを持つこだわり強めの芸術家であった。

 

今回の展示では美術評論家吉田耕三氏のコレクションの中から魯山人を中心とした陶芸家の作品約80点が公開されています。

会場で目に留まるのはやはり魯山人の器。(他の作家のものも良いのですが)

織部、黄瀬戸、志野、伊賀、備前とさまざまな技法を駆使した器。

模様や絵柄に味わいがある。

 

撮影OKのコーナー。

こんな風に使ってこその良さがあります。

自分で作った料理を盛り付けるために陶芸を始めた魯山人

古美術店の店番をしている時に、店を空けられないからという理由で自ら作っていた昼食が、おいしそうだからお金を出してでも食べたいと客に評判になり、やがては会員制の料亭をやることに。そこでは自作の器で料理を提供。会員誌も発行していたそう。

どんだけ天才なんだ!

 

その魯山人の北鎌倉(山崎)の工房に1951年春から1年半、働いていたのが今回の展示のコレクション主の吉田耕三氏。

ささいなことで魯山人から疎まれて工房を去るのですが、晩年の魯山人を知る人としても有名なようです。

コレクションの魯山人の器は自作の絵入りの段ボール箱に入れて保管。この作品収納箱の展示もありました。

吉田氏は講演会があると箱ごと披露し、箱の作成が至福のひと時だったとのこと。それはその箱を見ればよくわかりました。魯山人の器も良かったけれど、この絵入りのダンボール箱もさらなる魅力がありました。

ぜひ、器と共にこの段ボール箱もご覧くださいね。

 

魯山人の器でお食事ができるお店があるのかしらと検索してみたら、こちらがヒット。

www.kioicho-fukudaya.jp

(サービス料20%、魯山人の器コースにするにはプラス11000円・・・)

せめてものポストカード。この箸置き欲しい〜