こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

初めての金継ぎ

ずいぶん前だけどパックリ割ってしまいました・・・友人が金継ぎで直したら?とワークショップも紹介してくれたのだけど漆を使う本格的な金継ぎは時間もかかり、お代もかかり・・・場所も遠かったり。
この器自体が日常使いの安価なものなのでそこまでしては・・・という気持ちもあった。
そのまま月日は流れ、ようやく修復のチャンスが巡って来ました!!
鎌倉のAaH bitさんで漆ではなくエポキシ樹脂を使った簡易金継ぎのワークショップがあるとのこと。
迷わず参加です。デイリーウェアは手軽に直しましょ。

2時間で小さな欠けのものなら3〜6個、10センチ程のお皿が真っ二つというのは2個くらい直せるとのことでちょっと欠けたものも持って行きました。

接着に使うのは漆ではなくセメダイン(エポキシ樹脂)。化学物質なので気になる部分もありますが茶碗とかお皿の欠けに使うくらいならいいかな。2種をよく混ぜると5分で硬化しはじめます。セメダインに赤色顔料の弁柄を混ぜて赤茶に着色。赤茶は金色が綺麗にのるのと修復した箇所を見やすくするのが着色の理由。代わりに食紅などでもいいそう。
靴つくりで革靴の裏を磨くふのりに混ぜる金茶ってもしかして弁柄?

竹串で割れた両面に着色したセメダインを塗って接着。
老眼鏡を忘れたことを激しく後悔しました・・・

セメダインがべとつかない程度に乾いたらそこに金箔をのせていきます。ピンセットでひらひらした金箔をつまんでのせる作業は心踊りました。なんだろ?ゴールドってテンション上がりますね
加賀の伝統工芸にこんなところで触れられるとは!

初めてとは思えない仕上がり★
なんてったって仕事柄、接着剤を塗る作業は慣れてますからね。

欠けたお皿もこの通り
参加者の皆さん、それぞれご満悦。
それにしてもみんなも割れてもすぐには捨てられずに持っているものなんですね。
夫婦二人家族だと対で食器を買うことが多いから一個割れるととても悲しいんですよね・・とうなづき合う。

沖縄の読谷焼が好きでコツコツ集めました。
大抵は2個づつ求めました。そのほとんどが鎌倉佐助のもやい工芸さんでの購入。初めて伺ってからもう25年以上経ちます。金継ぎで再生できたのが嬉しくて、帰りにもやい工芸さんへ立ち寄りました。
スタッフの方にお見せすると「わぁ〜ずいぶん昔に扱っていた作家さんのものですね」と懐かしがってくださいました。
なんだか嬉しくて。マグカップを買って帰りました。(この場合は対ではなく一個だけ)
実はマグカップもこの前割ってしまっていて、でもそれはあまりに粉々だったので金継ぎできず・・・。
間に合わせのカップを使っていたけどこれでやっと落ち着けます。

金継ぎは簡単なものなら自宅でできそう。
何人かで持ち寄ってワイワイやるのも楽しそうだな〜