こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

STY・その2

A9エイドには人がいっぱいいてごった返していた。私的サポートをする人たちが入り口で自分のサポートする選手の到着をぎっしり待っている。水、スポドリ、コーラ、あと食べ物、どこも人でいっぱい。
混雑に慣れないわたしは右往左往する。
この次のA10本栖湖エイドでもあまりの混雑にあまり食べ物に手を出せなかった。
それでもエイドごとにコーラをもらい、あんぱん、チョコパン、クリームパンと品を替え、オレンジは毎回いただき、飴はポッケに入れてと出来る限り補給はしたつもり。
各エイドでは結構、知り合いに会えて元気が出た。でもそれほど長居はしないと決めていたので20分以内には出発した。ゆっくり休めるほど余裕はないのである。これも遅ランナーの定め。
竜ヶ岳を越えて、本栖湖エイドに向かうロード区間は全く走れず。まだこれから30キロもあるというのに。
A10を出発し、時刻は午前2時半を超え、つらい時間帯、きつい登りにもうほんとにやめたくなった。エイドまで戻ろうと思った。もしくはここから滑落してしまおうか・・などとも。まわりの人たちは文句ひとつ言わず黙々と登り続けている。その列に加わってもすぐに離脱して路肩で休んでしまう状態。情けない。
STYを完走できたら次はUTMFかな〜なんて思っていたわたしはなんてあまちゃんだったのだろう。
お前にMFは百万年早いと思った。と同時にMFにエントリーしている方を心から尊敬した。

それでも終わらない登りはない。明けない夜はない。
パノラマ台にて朝焼け。


4時半頃から鳥のさえずりがすごい。センダイムシクイのグィ〜はわかった。あとはキビタキクロツグミだったのだろうか?

烏帽子岳を下りて樹海の中へ。朝もやの幻想。
山の上は寒くなかったのにここでは冷え込んだ。
このあと最後のエイド鳴沢までは6キロのロード。ここも走れない。ただただ歩く。それでも気を抜くと遅くなってしまうのでなるべく早歩きで。ずっと前後していた女性とおしゃべりしながら。
鳴沢エイド到着が午前7時半。関門は9時なのでやっと休める。温かいレモンティーをいただいた。あとクロワッサンも。ここが80キロ地点。もうここで終わりでいいですか〜って気分。
知り合いにも会えたのでなんだかんだで30分近く滞在したのち渋々と出発。残り11.4キロって言われてため息。
全部歩くとどのくらいかかるのだろう?と考えるとそれほど余裕がないことに気付き、足取りに力を込める。ここまできてゴールに間に合わなかったら悲し過ぎるもの。
どんどん気温があがってきて着ているものをどんどん脱いで行く。最後は半袖一枚に。

ああ、やっと河口湖が見えてきた!
しかし、このあとの下りも急で・・・
最後の最後までいじめてくれます。
河口湖畔は満開の桜が迎えてくれました。
沿道ではずっと声をかけてくれる人の列が続いています。去年まではわたしもそちらにいました。
でも今年はその花道の中を通っている。感動★途中でやめなくてよかった!
大好きなCMに『今日を磨けば 明日が輝く』というのがあるけど、途中が辛ければ辛いほどゴールは輝く。
嬉しい嬉しいFinishでした!

ところで、ゴール後トイレで鏡を見たら顔にいっぱい文字が書いてある。
トリセツか成分表みたいに四角い枠の中に小さい文字が書いてあるのがいくつも顔にプリントされてるみたい。
?????
これって俗に言う幻覚だったのでしょうか?
うちに帰ってきたらもう消えてました。不思議〜