こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

Wファスナーのスリッポン

脱ぎ履きしやすいように両サイドにファスナーのついたスリッポン。
前回は編み上げの靴の両サイドにファスナーがついたものを作ったのだが「もう少しおおげさでないものを」というリクエストに応え、シンプルなクツにしてみた。

履いてみていただく。手足が不自由なオーナーさんなので心配だったが、特に問題はなさそうでホッとする。よかった。
もう少し前の方までファスナーで開くようにした方が良かったかも。
モカのラインに沿ってファスナーを取り付けて、つま先の方まで開くようにする案も考えたのだがファスナーをカーブで開け閉めするのは手が不自由だと難しいかなと思って短い直線のファスナーにしたのだ。
介助する人にとっては大きく開いた方がいいのだけど、なるべくなら介助なしでひとりで履けるものの方が良いと思ったから。あまりファスナーに力がかかるとファスナーが壊れやすくなるという心配もある。しばらく様子をみながら履いてみていただくことにする。

前回の編み上げの方も具合はいいが履くときにベロが内側に入ってしまうことがあるということで、今回、ベロの上の方に切り込みを入れてそこにヒモを通し固定するよう修正した。両手が使えないとベロを押さえながら履くということができなかったりするのだ。その点ではこのスリッポンはいいかもしれない。

前回の桃組さんでは展示スペースが二階だったということで足の不自由な方々にはご不便をおかけした。それで今回の場所探しでは駐車場から近いということと一階という条件は絶対だった。それでも玄関のほんの少しの段差がバリアーになったりもしたし、お座敷ということで座るのが辛いという方も多くいらっしゃったりもして、椅子を用意したりした。どんな人にもやさしい靴屋さんでありたいとは思うけどなかなかむずかしいものだ。


実家から近く、一階だったので
90歳のうちのおばあちゃんも来れました!
しかもばあちゃん2回も来てくれたんですヨ