こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

W坂と70階段

金沢の町は犀川を挟み片方が小立野台、もう片方が寺町台と呼ばれる高台になっている。犀川へ降りるいくつもの坂があるのが金沢の町だ。道は整備され車の往来の多い坂もあるが、昔からある細い坂も多い。
ギャラリーの近くにあるW坂は井上靖「北の海」という小説にも登場するWに折れ曲がった急な階段である。急ではあるが近道である。みんなに利用されている階段だ。


登り切ったところが寺町である。

実家からギャラリーまでは歩いて10分少々の距離。バス停2個分。江の電でいうと、ここ湘南海岸公園駅から腰越駅あたりくらいの距離。そんな程度なので雨の日以外は歩いて通った。バス通りを歩く日、裏通りを歩く日、いろいろなコースをたどったがやっぱり一番いいのは犀川べりに歩くコース。
ギャラリーからW坂を下り、川原に出て緑地をずっとまっすぐに歩く。
関東と違って水辺までの距離が近い。




ウォーキングする人、ジョギングする人の姿も多い。今度帰省するときは絶対ジョギングシューズを持ってこようと思う。
W坂のたもとが桜橋、次が下菊橋、そして上菊橋と懐かしい橋の横を過ぎてゆくと上の方に通っていた小学校が見えてくる。確か小学校の横の竹林のあたり・・・と記憶をたどりながら進んで行くと・・・。



あったー!



通称70階段!!
子供のころはこの階段は竹林に囲まれ、昼間でもうっそうとして薄暗く、降りる時と登るときでは段数が違うのだという怪談めいた噂もつきまとっていて決して数えてはいけないなどと言われていた。一番下にはお地蔵さんが祀られており、登り切った頂上は神社の境内というロケーション。
地元の人しか通らない、だけど川へ降りるには一番の近道の階段だ。
現在では綺麗に整備され、竹林もかなり伐採されており当時の面影はあまりない。
オトナになったわたしは数えながら登った。
なんと現在は90段あった・・・。
この階段を登ると実家まではもうすぐ。

会期中はこんな風に通勤も楽しみました。金沢を語るにはやっぱりキーワードは「川」と「坂」なんだと思う。


早速、読んでます。