こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

出世花&長女たち

『みをつくし料理帖』の高田郁氏のデビュー作『出世花』とその完結編『蓮花の契り』を続けて読了。

『出世花』が世に出たあと、7年の月日ののちやっと完結編が出たそうだ。その間に『みをつくし料理帖』が10巻出版されている。そんなことも知らなかったので続けて完結編まで一気に読めてシアワセ。7年待つのは大変だものね。

父親とともに生き倒れていたところを青泉寺に助けられたお艶。青泉寺は弔いを専門とする墓寺でお艶は名前を縁と改め湯灌場に立つようになる。

高田郁さんの作品はドラマ化され人気ですがこれは湯灌のシーンも数多く映像化は無理そう。でも他の作品にも通じる生きることの意味を問うような読み応えのある、そして登場人物の凜とした姿に心が洗われる作品です。ストーリーはラスト2ページであっ!という結末になるのがいきなりすぎて驚きでした。

祖母と父が亡くなったときに湯灌をしていただきました。それ以前に映画『おくりびと』は観ていたけれど、あんな風に劇的ではなかったけれど、それでもお願いしてよかったと思いました。
二人とも入院中はお風呂に入れなかったから髪も洗ってもらって気持ちよさそうに見えました。
この小説の中でも湯灌で表情も柔らかになり安らかに旅立っていくのを見て残された人は救われるような気持ちになります。共感できました。

そして次に読み始めた篠田節子さんの『長女たち』がこれまたすごくて衝撃。
老いた母親と同居する長女。母の介護のために仕事も退職。
追い詰められる様はまるでホラーです。とても怖かった。
長女なアナタはぜひ読んでみてください。