こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

カランコロン

『以前つくってもらった靴だけどカランコロン音がするのよ』という相談が持ち込まれた。キュッキュッと鳴る靴なら過去にあったがカランコロンは初めて。一体どういうことだろう?
早速、靴を送っていただいた。
カカトの釘が出てきてそれが鳴っているのか?

でも見たところ釘は飛び出してはいない。
ちょっと履いて歩いてみた。確かに音はした。
でもカランコロンじゃなかったけど。
原因はやっぱりシャンクだろう。
となると底を剥がさなくてはだめだ。剥がした底をまた元通りに貼るのは難しいので取り替えることになる。片足だけ取り替える(鳴っているのは右のみ)のは抵抗があるので結局、両方を取り替えることにした。

で、底を剥がしてみると・・・。
思いの外、シャンクはしっかりと中底にくっついていた。
ただし、中底面が少しブクになっていてそれでシャンクが動くような感じ。柔らかいところにシャンクを貼ってしまっていたのだ。シャンクを剥がし、浮いている革を包丁でそぎ落とす。これはかなり反省すべき点である。中底の裏のブクになっているところはちゃんと取ってから底付けすべし。

クツはどこに落とし穴があるかわからないですね。
ちゃんと納品できた!と思っていても半年以上経ってこうやって戻ってきたりするのがクツなのであーる。

ついでに中敷きも取り替えサービス。
ヒマなときに残り革を裁断して中敷き作り。