こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

美しい本ー湯川書房の書物と版画

映画にしろ展覧会にしろ、いつも会期ギリギリか終了後のお知らせになってしまうので今度こそ余裕を持って!

行ってまいりました。

www.moma.pref.kanagawa.jp

4月16日まで開催中。

 

湯川書房とは湯川成一(1937~2008)によって設立された作品選定から装幀、造本に至る全ての工程を1人で担う限定本専門の出版社。2008年に活動の幕を閉じる。

 

多くの愛書家を魅了したという。

ん?愛書家?

愛書家とは書物を愛する人で読書家とは必ずしも一致しないそう。

1970~80年代に興隆した限定本文化というものがあります。(よく知らなかった)

そこらへんの世界の展示でした。

版画がふんだんに使われ、立派な箱に入っていたり、革の装幀だったり、和綴だったり、見返しがマーブルだったり。

手にとって見ることはできないけれど、360度見られる展示のものもあり、じっくり鑑賞できます。

そんな豪華な本が並ぶ中、一番惹かれたのが加藤清允さんの絵巻物みたいな著書。

『春になったので彩雲堂さんへ筆を買いに行く』

彩雲堂さん、おそらくは画材屋さんだと思うけれど、そこまで歩いて行く様子が絵地図になっている。やっぱ、こういうのが大好き。

なんでもないタイトルだけど"春になったので〇〇さんへ〇〇しに行く"ってなんかほのぼのしていいな〜

春ってそういう季節ですね。

この加藤清允さんという方を存じ上げなかったので検索してみたら、とても素敵なコラムをみつけました。あとでじっくり読もう。

www.uruu-magazine.com

 

 

そして今朝になって思い出した。我が家にも限定本があった!!

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2002年10月にNさんがご自身とわたしの分の2冊のみ作ってくださった「クツクツ通信」の本。革装幀、見返しは版画です。

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毎月のクツクツ通信(昔はマンスリーだったクツクツ)の横に展示会のDMが挟まれ

 

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わたしのイタリア一人旅のときに自宅宛に送ったエアメールも挿入。

懐かしくて鼻血ブーです。

限定本のパワーすごい。

 

今でも変わらず宝物です。Nさん、ありがとう。

kobitoku.hatenablog.com