こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

大河への道

『道に迷ったら、この映画』というキャッチコピーが気になって、観に行きたかったけれどなかなか行けず近くの劇場では上映終了。諦めていたら、まだ上映中のところがあったので急ぎ観にゆきました。

movies.shochiku.co.jp

トップガンより面白かったです!
原作は立川志の輔さんの落語。それを中井貴一さんが映画にしたい!と企画したもの。

千葉県香取市の観光促進のため、地元出身の伊能忠敬を主人公にした大河ドラマを作るというアイデアを実現に向けて進めていくうちに、ある事実が判明した。

その事実とは、伊能忠敬が17年間自分の足で日本中を歩いて(地球一周の距離だそう)作った日本地図(伊能図)が完成したとき、伊能はすでに死後三年であったということ。

つまり伊能忠敬は日本地図を完成させていない。

完成させたのは別の人物?

そこから劇中の時代は令和から200年前の江戸へ・・・。

出演者全員一人二役です。縁もゆかりもないのに江戸時代の役柄にそれぞれがピタっとはまっているのが良かったなー。

草刈正雄さんの殿(徳川家斉)と知事の二役にはふふふと思った。

伊能忠敬は最初から地図が作りたかったのではなく、『地球の大きさを測りたかった』だけで、そのために当時は関所があって自由に移動できないのを地図作りという名目があれば蝦夷に行けるということで測量を始めたのだという点もへぇ〜だった。

日本地図が未完のまま、伊能は死去し、残された伊能組のメンバーは伊能死亡の事実を隠し、地図の完成を目指す。幕府にバレそうになるのを必死でごまかすのもなかなかでした。

衛星どころかドローンも道具も何もない時代にほぼ狂いのない日本地図を完成させた情熱。

映画のクライマックスで殿の大広間に広げられた地図は美しかったです。

 

中井貴一さんが演じる高橋景保という人物を帰ってきてから調べてみたら驚きの事実が。

伊能忠敬が50歳のとき、天文学者高橋至時31歳に弟子入りします。この方が高橋景保のお父さん。このことは映画の中でも周知のこと。

そういう縁もあって、息子氏の景保が地図完成までを手伝うわけですが、完成後のその後の話。。。

景保はなんとシーボルト事件でお縄になり、獄中死しているのです・・・

シーボルト事件って学校の授業で出てきましたね。全く内容覚えてなかったけど。

シーボルトにヨーロッパの最新地図と日本の最新地図を交換しようと持ちかけられ、景保は日本の地図を渡してしまいます。それをシーボルトが国外に持ち出したのがシーボルト事件。

当時は地図は国家機密でした。

 

そんなこんなでこれまで知らなかった歴史のいろいろを知ることができる時代物はとても面白いです。

安定のおもしろさのこちらも!あきない世傳-金と銀12

十三巻は来月発売。楽しみ〜♪