こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

エクリプス

鉄は熱いうちに打て!ということで忘れないうちにBWRの振り返りをさらに。
通常カモ類はメスは地味な褐色です。この画像のオナガガモの中でメスは一羽だけ。区別は簡単にできますね。

しかし、群れをよく見るとちょっと他とは違うのがいました。
Ichikawaさんがカメラに収めてくれた画像です。
みんなで???となりました。
尾が長いからオナガガモに違いないのだけどこの一羽にはオレンジ、緑、白の三色の羽が見えました。
この部分は翼鏡と呼ばれる金属光沢を持つきれいな羽。見える角度によって違う色にも見える『構造色』を持つ羽です。(今回調べてみて初めて「構造色」を知りました)
オナガガモはオスとメスではこの翼鏡の色が違うそうです。緑の翼鏡はオスとのことなのでどうもこの子はオスみたい。だけど他のオスとはちょっと違う風に見えます。
真っ白なはずの胸は汚れたような色だし、チョコレート色のはずの頭もなんだかぼかしのはいったようなこげ茶。
なんでだろう?と思ったときに『エクリプス』という言葉が浮かびました。
エクリプスとはwikipediaによるとカモ類の雄が繁殖期経過後一時的に雌のような地味な羽色になる状態、とあります。ギリシア語では「力を失う」ことを意味するとか。
探鳥会でもときどき「あれはエクリプスですね」という言葉をきいたことはありました。
渡ってきたばかりの頃の群れにはエクリプスが混じっていてメスと区別が難しいといった話もきいたことはありました。でも区別が難しいならわたしにゃ無理だな〜とスルーしてた。
エクリプスという言葉自体が覚えられず・・エクリなんとか??とごまかしたり。
しかし、今回は覚えましたよ。
繁殖を終えて、日本で越冬するために渡ってきたカモたちはのんびり過ごしているように見えますが実はこの冬の間にカップルになる相手を探します。なので冬場がオスの羽が一番きれいに見栄え良くなるんだよ。と以前ベテランウォッチャーさんから教わりました。エクリプスの地味色から自慢の美しい羽に換わるのです。
上の画像の子はその換わる途中だったのかな。もうしばらくしたらすっかり換羽して男前になるのでしょう。
じっくり観察をしていると婚活中のカモが求愛しているシーンなどにも遭遇できます。
鶴岡八幡宮の源氏池はそれが間近でみられます。
ただし、観光客がエサ撒きを始めてしまうと色気より食い気に走ってしまうようですが・・・

まとめ。
カモのオスは派手、メスは地味。
派手になりきっていない途中のやつもいる(エクリプス)
冬の間はパートナーを探す婚活中。
これだけわかるだけでもすごく楽しくなります。

今回の概念図。
これを作るのも楽しかったー!