こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

すれ違いのダイアリーズ

初めてかもしれない?タイ映画を観ました。別の映画を観に行ったときに予告が流れて、これは観なきゃ!って思った。『すれ違いのダイアリーズ』です。原題は『キットゥンウィッタヤー』学校が恋しい、懐かしいという意味だそうで日本で最初に公開されたときは『先生の日記』だったそう。
『すれ違いのダイアリーズ』は珍しくいい邦題だと思いました。

僻地の山奥の湖に浮かぶ水上分校に赴任したソーン先生。携帯電話も晴れた日しかつながらない(年に何日しかない)電気も水道もないような場所での生活。生徒は4人。いろいろうまくいかなくて孤独なときにみつけたのは前任教師エーンの日記。1年前からつけられたその日記に共感しつつ、その日記を参考にしつつ、子供たちとも打ち解け始める。日記を読むうちにまだ会ったこともないエーン先生に惹かれ始める・・・
  
2011年のエーンの水上分校の暮らしと2012年のソーンの日々が同時進行するように映され、さらに2013年ソーンが去り、エーンが水上分校に戻ってくるシーンにつながる。
ソーンとエーンの二人がチャーミングでストーリーはロマンチックでドキドキします。
おまけに分校に通う子供たちがすごく可愛い。
その反面、水道からヤモリが出てきたり、トイレの下に死体が流れてきたりというドッキリもあり。
エーン先生のことが知りたくて子供たちに「誰かの忘れ物を探すゲーム」をさせたり(このときエーンの腕のタトゥが写った写真をget)、エーン先生の似顔絵を描かせるソーン先生がいじらしい。
柱につけたみんなの背比べのラインのエーン先生のところの高さを測って自分の身長と比べたりとかも微笑ましい。同じことを2013年のエーン先生がするのもキュンとする。
教師としては全然ダメなソーンだったけど漁師を継ぐから学校もう来ないといっていたチョンくんを連れ戻したり、汽車を見たことないという子供たちにボートで学校を曳いて汽車の真似をしたり(このシーン最高です)、だんだんいい先生になっていくのも好ましい。
どんどんネタバレしてしまいそうですがこの二人には一応それぞれ恋人がいました。ソーンの方は週末に帰ってみると彼女は別の男性と・・・。
エーンの方は同じく教師のヌイと三ヶ月後に結婚というところまでいっててそのため分校を去り都会の学校で働いていたのだが浮気され、おまけに相手が妊娠・・・。
ヌイはたった一度なんだとか言い訳をしますが無理よね
傷ついたエーンは水上分校に戻るのだけどこのヌイは毎週のように謝罪の手紙を寄越すのです。まだ見ぬソーンに惹かれ始めていることもあってヌイの手紙は封も切らないで引き出しに入れられていたのだけど春休み前に迎えにきたヌイの必死の謝罪に手紙を読むエーン。甘いな〜
タイは過ちに関して寛容だからなんでしょうか?ヌイを許して一緒に都会へ向かうエーン。
これはありえないです!ダメです!
ヌイしつこいし、こんな人の言うことは信じられません。誰がってわたしがですよ。
はよ戻れ!エーン。ソーンに会いに行くんだ!!!
もうこのあたりの展開はなくていいと思うのです。ヌイのせいで韓国ドラマみたいになってる。

つい、力が入ってしまいました。
ラストシーンで初めて出会う二人の清々しさよ。
出会う前から惹かれるってありますよね。例えばその人の書く文章が好きだったりすると。
そして会えない時間が愛を育てる。そういうものです、きっと。
タイの文字も絵みたいでそれをなぞるシーンもステキだったな。
上映は鵠沼海岸シネコヤで明日まで。
このシネコヤがオープンしてくれたおかげでちょくちょく映画を観に行けるようになりました。
この前から何本か観た映画の感想はまた改めて書きますね。