こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

昨夜のカレー、明日のパン

名作ドラマ「すいか」ファンなら必読の一冊。

脚本家夫妻"木皿泉"さんの初の連作小説。

七年前、二十五歳という若さであっけなく亡くなってしまった一樹。
結婚からたった二年で遺されてしまったテツコと、一緒に暮らし続ける一樹の父・ギフ。
ふたりの日常とそれをとりまく人々の物語。

わたしは「山ガール」という表題のものが一番好きでした。
テツコの友人の山ガールと一緒に山登りすることになったギフ。彼女のことを師匠と呼ぶ。
二人でとんちんかんな山登りがはじまるが、いろいろあったあげく、師匠は自分が山登りする理由がわかったと言う。
それに答えるギフの言葉。『そうですか。山登りは生き死にですか』
そのさきのやりとりもじわ〜ときた。

大切な人を亡くしたあと、ひとはどうやってその先を生きてゆくのだろうと考えさせられます。
ギフの言葉がいちいち滲みる。
死んだら星になるって言うでしょ?あれ、ボク、信じられないンですよね(ギフは自然科学の人だから)
死んだ一樹が星になったと、何度もそう思おうと思ったけど無理だったんだと・・・。
一樹はね、手品みたいに消えたの。この世から、パッて、あとかたもなく消えちゃったの。

4ヶ月前、わたしの手の中で消えた小さな命。
思い返せば手品のような瞬間芸だった。
ほんとに星になっててくれるならどんなにいいかと思う。

なかば諦めかけてたイチゴですが赤くなってました
明日食べられるかな〜♪