こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

Izu Trail Journey

今年最大の目標だったレース、Izu Trail Journey(以下ITJ)完走しましたー!!!
直前にインフル感染というハプニングあり。しかし、熱も下がり、ギリギリ感染期間も明けてレース当日を迎えました。
熱にうなされて食欲が全くないときも"うどん"だけは食べてカーボローディングしたのが良かったのか、まるまる二日は眠りこけてたっぷり休養したのがよかったのか、とにかくみんなから「体調万全じゃないのに・・・」と言われましたが当日は逆に『万全』な体調だったこびとくです。ずっと食事できていなかったので、前日の民宿での大量の夕食はペロリ
当日朝3時前起床だったのであまり眠れなかった割にはインフルで寝だめしていたから寝起きもスッキリ
昨年末から悩まされ続けていた膝痛もインフルの頓服として処方された鎮痛剤を投入したらなんとか走れるレベルの痛みに落ち着きました(薬の使い方まちがってるけど)
インフルエンザ感染はトレランの神様がくれた贈り物だったようです(それも間違ってる・・)

このレース、伊豆の松崎から再生古道トレイル〜林道〜伊豆山稜線歩道とつないで修善寺までの70キロを制限時間14時間以内で行かなくてはいけないというとんでもないものです。単純計算すると時速5キロ。同じような距離のハセツネ(71キロ24時間制限)が時速3キロくらいなのでわたしにとってはかなりのハイペースのレースです。しかも前日になって『実は距離は75キロありました』って発表されるという・・・orz
↑こんなに山を越えてきます。
とにかく頑張って走り続けないと完走できないレースと認識していました。
知り合いもたくさんエントリーしていましたが、わたしよりずっとずっと格上の人たちですら「厳しい」と言っていて、いつも以上にわたしはそんな中の最低レベル・・・。
考えれば考えるほど自信がなくなるので考えるのはやめました。行ける所まで行くのみ。

んで、スタート。
今回いちばん頑張ったのはトイレ。
たまたま第一関門(8.5キロ地点)で仮設トイレに誰も並んでいなかったので入りました。まだ午前8時前でした。そのあとのエイドでは全部、長蛇の列。第二関門(42.2キロ地点)で行きたかったのですが並ぶと20〜30分はロスしそうだったのでガマン。これ、昨年のハセツネが教訓。あのとき50分待ちでその後冷えて動けなくなったから。
次の第三関門(53.6キロ地点)の閉鎖時間に間に合わなくなると絶対後悔するしと思いガマンしました。いざとなれば携帯トイレがあるさ〜とも思ったけど実際にはその先は背の高い樹木の一切ない開けた稜線でしゃがめるところはなかったんですけどね。とにかく午前8時前から午後5時までトイレなしで行けたのは収穫!!
試走のときに午前9時から午後5時前まで大丈夫だった経験がここで生きました。(これもなんか間違ってる?)
ともかくトイレ列に並ばなかったおかげで第三関門は間に合う算段ができた午後4時頃のこと。途中のベンチで少しだけ休憩しました。そのとき4、5人の人と話したのは「我々で完走ギリギリですね」という話。「第三関門は間に合いますよね?」と問うわたしに「間に合うでしょう。でも第三通過が関門時間ギリギリだと多分ゴール間に合わないですよ」とのお言葉。えー!?そうなの?!とここで初めて知る事実・・・。
わたしにこれを告げた男性はその後、あっという間に視界から消えてゆきました。
で、このあと頑張ってはみたものの結局、第三関門通過は閉鎖時間ギリギリでした。もうヘトヘト。
第三出発は関門閉鎖後の17時1分。ライトの準備をしていたら大粒の雨まで降って来るし・・・。しかも風速15m以上の強風。まわりにはもうここでやめると言っている人もいました。リタイアバスも待機してましたし。

とにかく急がなきゃ!と先を進む。
時折、ヒャ〜と叫んで四つん這いによろめくほどの強風にあおられながら・・・。

気が付くと前方に富士山。
いつしか雨もやんでいて左手には沈もうとする太陽が・・・。これをみられただけでもリタイアしなくてよかったって思えました。太陽が完全に沈むまでのマジックアワーの雄大な景色、すばらしかった。

その後、ナイトランに突入するのですが、残り6キロのロードに出る手前の下り基調のトレイルでびっくりするくらい気持ちよく走れました

やっぱナイトラン大好き〜
おそらく大多数の人はライト点灯することなくゴールしています。
でもわたしたち後方ランナーはナイトラン満喫
星空が最高でした。満天の星。オリオン座がでっかくて手が届きそう。ときどきライトを消して見上げながら走りました。高度を下げていくうちに修善寺の町の夜景が目の前に広がります。これもきれいだったなぁ。
途中の民家からおばちゃんが出てきて、飴をくれました。「これなめてがんばって!」
かなり高齢のおばあちゃんも「いやーたまげたなー」みたいなことをぶつぶつ言っていました。とにかくいろんなところで住民の方や誘導スタッフの方々が応援の声かけてくれるんですよね。それがどんだけ嬉しいか。
さすがに最後の3キロくらいはもう走れなくなってきていて、でも歩くと時間オーバーになるからもう無理矢理走っている。ときどき時計を見ながら、大丈夫、間に合う。間に合うから走れ!と自分に言い聞かせ。
残り1キロを切って修善寺の温泉街へ。ここでも旅館の従業員の方や地元の方が通りの右に左にいて、身を乗り出して拍手をしたり、声をかけてくださる。歩いている前のランナーを追い越すと「間に合いましたねー」と言われ、後ろからラストスパートで追い越していくランナーとも「間に合ったね〜」と声をかけあい、そういう一体感も含めてしびれました。

そして光の中へゴール!!13時間50分ほどのJourneyでした。長かったぜー。