こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

一匹狼

双眼鏡を持って走ると発見率が格段にあがります。
草むらでたくさんうごめく鳥の中に・・・カヤクグリをみつけました。一羽だけ。
この場所にシジュウカラは100羽くらいはいたな。アオジも数十羽。カシラダカも相当数。
前回、今年は冬鳥の当たり年と書きましたが正しくは漂鳥の当たり年と書くべきでした。冬鳥というのは北の国から海を渡ってきて冬を日本で過ごす鳥のこと。一方、漂鳥は国内で移動する鳥のことを言います。秋に北から南に移動して来たヒヨドリやこのカヤクグリのように高い山から低山や平地に移動してきた鳥のことです。それが今シーズンは多いように思うのです。少ないなあと感じるのはツグミ。(これは冬鳥です)

さて、このカヤクグリ、図鑑には『ハイマツ帯で繁殖』とあります。ハイマツ帯って何?とさらに調べていくと・・・。
数字がちょっとずつ違うものもあってはっきり言い切れないですが亜高山帯と高山帯の分かれ目にあたるらしい。文字通りハイマツの生えている地帯のことです。これは北へ行くと標高が少し低くなって東北では1600m、北海道では1000〜1500mくらいですが本州中部の山岳地方では1800m以上だそう。
なんとなくこのあたりで見られる漂鳥=丹沢か箱根から来た鳥、などと思っていたのでびっくり。神奈川には1800m以上の山はありません。カヤクグリは○○アルプスと呼ばれるようなところからやって来ている?!スゲー
しかもですね、『単独で越冬する』という記述もあり。わたしが目撃したのも単独でした。
先月の探鳥会で現れたカヤクグリ、大野山は標高700mほど。これならなんとなくわかります。
だけど、うちの近所って海抜0m付近です。標高で言えばきっと10mにも満たない。そんなところにひとりで・・・。
前回みたときは岩の上で苔をついばんでいて、近づいてきたアオジを威嚇して追っ払う強気なシーンを披露してくれました。多勢に無勢じゃないけどたったひとりでも守るべきなわばりは守る姿勢がカッコいい。
中途半端な標高じゃなくて降りられるところまで降りて来ちゃったアナタに惚れたこびとくです。

高山の鳥としては唯一、冬もそこに留まることを選んだライチョウも潔くて惚れてしまいます。
こんな風に冬の鳥の話はつきなくて、まだまだ続きます。
ちょっとは水もぬるんで来ましたかねぇ。