こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

望月青果店

2013初読みは小手鞠るい『望月青果店』でした。

初めて読む作家さん。ストーリーについても事前情報全くなし。装幀が良かったからという理由のジャケ買い
イチゴの刺繍が表紙絵なんです。布目の紙じゃなくて布に刺した刺繍の写真がプリントされた紙?
きれいな本だったので手に取りました。やっぱり好みの体裁の本は良いものです。

テーマは母と娘の確執。
鈴子の実家は岡山の青果店。昔から母親咲恵とはうまくいってなくて実家を家出同然に飛び出したきり。
結婚も反対されたままで、今は遠く離れたアメリカに住んでいる鈴子。
母の身体の具合が悪いと父親からきかされ帰省をしようとするところから物語は始まる。
が、冬の嵐により停電。
鈴子の回想がはじまる・・・。

母娘の関係って難しくて特に大人になってからお互いひどいことを言い合ってしまったりもする(我が家の場合)。
この小説に共感する部分も多かった。
鈴子の夫、誠一郎が視覚に障害があり、二人の出会いのきっかけが盲導犬だったり、母咲恵も少し目が悪いという設定がなかった方がほんとは良かったかな。そういうフィクションぽい設定がなくても母と娘のフクザツな関係は描けたはず。
咲恵の言葉がいちいちキツくて読んでいてしんどいが最後はホッとできるストーリーで良かった。

で、自分ちの母娘関係にも思いを馳せることになったのだが、ちょうど今のわたしの年齢のとき母はどうだったろうと考えてみたところ・・・。
わたしが成人式も終えて就職して上京することばかり考えていたあの頃。
母は何に夢中になっていたのだろう?毎日、どんなことを考えていたのだろう?
少なくとも"10K48分切り!"などということには熱中してなかったな・・・

母とわたし、アラ50の二人に共通点があるとすればどちらにもハタチのムスメがいることかな。うちの娘はこんなですが・・・
ちょっと目を離した隙にテーブルへジャンプ。高いとこはもう登れないはずなのに。やめれー