こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

天地明察



『天地明察』読了。映画が公開されたとき、読んでおもしろければ観に行こうなんて思っていたが読み終える頃にはすでに上映終了・・・・。観たかった。
こういう大作はチビチビ読まず一気に読まないとだめですね。

江戸時代、新しい暦をつくるストーリー。
算術と暦、最初はピンとこなかったけれど読めば読むほど引き込まれる。
これまで800年使われてきた暦は間違っていてズレが生じてきているのに、なかなか新しい暦へ転向できない。朝廷は考えを簡単には変えない。この時代、戦国の世から50年以上が過ぎて年寄りには戦の体験者がいるが主人公春海はじめ戦を知らない若者がほとんど。何か熱くなることがしたい・・・という想いを抱くあたりも現代と似ているかもしれない。
春海が幻覚を見るシーンが何度もでてくる。
からん、ころんと算額絵馬が鳴る音が響く。

ああ、これを映像で観たいなーと思った。
一方で、これを映像化するのは難しいだろうなぁと思った。

春海は「こと」と結婚する。ことは体が弱く若くして亡くなる。
その後、「えん」とようやく結ばれるのだが、映画のキャストに「こと」がいなかった。
「えん」は宮崎あおいさん・・・。
この二人の女性は非常に重要だと思うのだが・・・うーむ。

この時代の通信手段は手紙だし、待つと言えば何年もだし、寿命は短いけれどでもこういう時の流れ方がいいなぁとしみじみ思った。男女の関係も。

年末年始のお休みにじっくり読みふけるのに最適の一冊です。
映画の公開もお正月だったらよかったのにな。