こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

ハセツネ完走レポ・その3

アカン〜、ほんとにつらかったことがどんどん記憶から遠のいていってます。
あんなにジゴクだ、ジゴクだとつぶやいていた時間にまた戻りたいとまで考えてしまう〜〜

さっさとレポを片付けてしまいましょう。
第二関門での滞在は15分ほど。梅おにぎりは半分ほどしか食べなかった。
ここまであまり補給食を口にしていなかったが、これだけゆっくりペースになってしまったからにはそんなに食べてなくても大丈夫なはず。ゴールしてからざっと計算してみたら、レース中に補給したのはたったの1050キロカロリーだった。(消費したのは7365キロカロリー
腰につけたライトはここで電池切れだったので交換。ついでにヘッドライトの方も交換。
ケータイの電源を入れてみたが圏外になっていたので関門通過はつぶやけず。『ジゴクです。結構ツライ(ToT)』ととりあえず弱音を入力だけ。←かなり本音、でもリタイアテントにはいかなかった
どこか途中で送信しようと電源入れたままで出発。
↑カメラに向かうときは意外と元気。
途中で電波がつながったようでメールを受信した。ジョグ友からの応援メール。twitterでもたくさんの人が応援してくれていた。
時間がかかってもゴールしないと・・。でもこの状況ではできないかもしれない・・。
御前山までが一番きつかったかな。眠かった。去年も一昨年も一度も眠くならなかったのに。
軽い吐き気もする。吐いたら楽になるだろうか?うーーん、もっと気持ち悪くなりそうな予感。
幸い、去年、一昨年苦しめられたお腹の不調はなかった。ところどころでシートに包まって寝ている人たちがいる。わたしもいっそ寝てしまおうかと思った。そして朝まで寝過ごして関門アウトだったということにしてしまおうか・・と考える。でも寒そうなのでやめた。

御前山に午前4時20分。ここでも「御前山アッパレー」と叫ぶ。まだ46.5キロ地点だなんて考えたくない〜
ここから大ダワまでの下りも荒れた道だった。三頭山からの下りの方がまだマシなくらい。1時間以上かけて下る。去年はこの下りの途中で夜が明け始め、鳥の声が聴こえてきたんだよなぁと思い出す。すると確かに夜明けの気配が。鳥の声が聴こえてきた。でもまだ暗い。大ダワについたときは明るくなっていたがトレイルの中はまだ少し暗かった。ヘッドライトをつけたまま大岳山の登りへ。比較的走れるところが多いこのトレイルでも全くだめだった。かなり絶望的な気分になる。
まわりにはわたしほどヘトヘトの人はいなかったように思う。みんなここへきて元気になっているようにみえた。
大岳山さえ越えればあとは下り基調だもんね。
岩場手前でストックをしまい、両手をつかってロッククライミング。ここでの一歩一歩がまたしんどかった。ここまで来ていてもまだ完走は危ういかもと思っていた。やっとのことで大岳山山頂。午前7時。去年は富士山が見えて写真を撮ったりしたが、すべて雲の中で何も見えず。閑散としていてスタッフさんも無言だったので「大岳山もアッパレー」とは叫べず。
で、大岳山の下りもすっかり忘れてたけど、やっかいな岩イワ下りであった。
もーもーもーと悪態つきながら下る。
そして上空には少し前からヘリコプターの音。岩場から落ちた人がいるとのこと。命には別状なしとのことだったけど背筋が寒くなった。あとからきいたが、救助作業で足止めがあり制限時間も伸びていたそう。
やっと下りが終わり大岳神社でガラガラと鈴を鳴らし、完走できますようにと手を合わせる。この時点でもまだ完走に不安のあった根性なしのこびとくであった。あと20キロ以上あったし。

でも、去年はここから再びストックを出したのだけど、今年はもうしまったままで"走るでモード"にスイッチ。
そしたらなんと走れるではないか!!!(ゆるい下りだからなんだけど)
「ヨシッ」とつぶやいたら泣けてきた。完走できそうとホッとしたのではなくてなんでこんなにツライのに走るんだろうって思って泣けた。しかし、泣いている場合ではないので先を急ぐ。
だって、全然ダメだって思ってたのにもしかして去年より早い時間なんだもの。
第三関門通過は午前8時。去年は誰もいなかったこの場所も休んでいる人がたくさんいた。「ちょっと休むと楽になるよ〜」と言われ、休むことにした。ベンチに腰掛ける。水の残量がいっぱいあったのでここで軽くするため水を捨てた。横にいた男性に「大丈夫?まだ3時間あるよ」と言われ、ハッとした。危ねぇ、危ねぇ。

も〜ゴールまで遠過ぎるよ〜〜〜〜

日の出山に8時40分。ここからの下りの階段ですべって転ぶ。「気を付けて〜」と言われたはしからもう一度すべって転ぶ。もう足が踏ん張れないのだ。そしてこの先の階段もやっかいで土が流れてハードル状になっている。階段脇はみんなが通ったあとでツルツル。
近くにいた女性と「ハードル!ハードルいやぁ!」とわめきながら下った。
最後の金比羅尾根は走れる人は走り始める。もうだめな人は歩いている。
7〜8人のトレインになって下る。下る。下る。
65キロの看板に皆で歓声をあげる。でもあと6.5キロ。どのくらいかかるのだろう?
後ろからも追いついて来る人がたくさんいる。みんなここへきて元気になっている。
ときどき速いひとに譲り、のぼりで牛歩になり、それでも走れるだけ走った。
あと2キロのところで夫にメール。しかし電波はなし。この間にもたくさんの人が走り抜けていく。
あと1.5キロのところでつながった。「あといってんご」と送信。このメールに気付いてゴールで出迎えてくれるといいけど・・・。

そしてついに最後のコンクリ坂へ。
ここ、ほんとに最後の拷問です。住宅地に出て、角をいくつか曲がる。ゴールはどこ?ゴールはどこ?と今年も思う。
ところどころで応援のひとたち。ありがとうございまーす!とお礼をいいながら通る。
そして腰掛けて手を叩きながら「ガンバレ!」と言ってくれたのがなんと去年の覇者、今年4位の相馬さん!!!
相馬さんのスマイルもらっちゃいました〜
すごいうれしくて。
だって後方ランナーって応援も少ないし、関門でももう終わった感満載ですごくさびしいの。トップアスリートの人がこういう時間帯を応援してくれるって滅多にない。バーッと一気にハイテンションになったままゴール!!

わーーんきつかったよ〜〜〜とちょっぴり泣きました。
頭ぐしゃぐしゃ、顔にはへんなシミできてるし。カンペキに使用後の姿になっていたこびとくでした。

なんとか21時間台のゴールができました!
自慢できるタイムじゃないけど、
この時間全てがわたしのハセツネ。