こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

南桂子・船の旅

トークセッションの前にちょっと寄り道
初めて降りた水天宮前駅のすぐそばです。

ミュゼ浜口洋三で開催中の『南桂子展 船の旅』へ


銅版画家・南桂子本人の手書きの原稿類(詩や童話の)が昨年、大量にみつかったとのことで今回その一部を初公開。銅版画家でありながら壷井栄に師事して童話を書き、新聞に発表していた彼女の文学活動の一端も楽しめる展覧会でした。展覧会タイトルの「船の旅」は1953年の冬、銅版画を学ぶためにフランスへ渡る、その船の中で書き付けた詩で、台湾、香港、シンガポール、そしてジェノバと寄港しながらのもので異国情緒たっぷりのもの。旅の途中でかかれたスケッチも良かったです。
童話は選ばれた5編が初公開されていたのですが、読む方はなんとなく読み飛ばしてしまった感じだったけど"聴く"コーナーのヘッドホンで朗読を聴く方を試してみたらば物語がすーぅっと入ってきたのには驚きました。
そして銅版画の方は言う間でもなく、とても良かったです。
ちょっと寂しいような繊細な、そして鳥と少女が多く登場する、湖やお城や塔も・・・。気に入ったものはポストカードでお持ち帰り。

ここの美術館はこじんまりと空いているのも良かったのですが、何よりも照明がほどよく暗いのが良かった。展示品にのみスポットが当たる照明で部屋の中が明るすぎないのがとても落ち着きました。「船の旅」は今月末まで開催中です。7月22日にはTV日曜美術館南桂子について放映もあるそうです。