こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

ハセツネ完走レポ・その2

去年はたくさんの人がいて、騒然としており、「リタイアの人はこちらぁ〜」とリタイアの大安売りもしていた第一関門であったが、今年は閑散とまでは言わないが割と静かだった。あとでもっと早い時間に通過した人にきいたらトイレも40分待ちくらいだったと言ってた。(わたしの前にはトイレ待ちひとりしかいなかった)
それもそのはず、このときわたしは2158名の出走者中、2010番目の通過だったのだ。
ちなみにその後の通過順位ですが第二関門で1786位、第三関門で1639位と順位をあげていた
第一関門での休憩は20分ほど。
おにぎりを食べ、お茶でリフレッシュ。関門通過をtwitterでつぶやく。なかなか電波がつながらなかった。この先もつながらない場所がほとんどなのでケータイの電源はオフにした。昨年も関門通過をツイートしたらたくさんの応援をもらったので今回も余裕があったらつぶやこうと思ってた。電源オフにしたのでリプライをみることはなかったのだが、それでも見守ってもらえてるという感じはあった。ひとりじゃないって思いたかった。
同じようにひとりじゃないって支えてくれたのが熊鈴。
ひとり旅が多くなった今回、ずっとシャンシャン肩越しに鳴ってくれてたおかげで心細くなかった。(本来の役目と違ってきてますが)

水の残量をチェックし(大丈夫、充分足りる!)、ストックをセットし、次に目指すは20キロ先の第二関門。前回はここまではいけたのだから、この手前でやめるという選択は今回のわたしにはない。ライバルは去年のわたし。前回はこの先ほとんど走れなかったが、今回は走れるところは走っていたと思う。といってもスピードは男性の早歩きにも負ける程度だけど。でも自分でも「走ってる〜走ってる〜♪」と思うほど結構ゴキゲンだった。昨年は集団でやってくる人たちに道を譲るばっかりだったが、今回はその集団について進むこともできた。ひとりよりは5〜6人のかたまりになって進む方がペースよく行けるということがよくわかった。ニンゲンって群れる動物なんだなぁと実感。
それでもひとり旅になることの方が圧倒的に多い。去年は怖い〜と一瞬パニックになったときがあったが、今年はそれが全くなかった。むしろひとりのときの方が気楽って考えたくらい。
そんな風にイイ感じだったはずだが、そうは問屋がおろさない。
昨年も見舞われたトラブル、お腹の不調が・・・。
わたしは胃腸は丈夫な方だと自負している。下痢や便秘もない!!と断言できる。
なのにハセツネではギュルギュル〜となる。なぜなんだ・・・。
次のトイレは三頭山避難小屋。とにかくそこまでがんば。
このお腹の不調は割とガマンできるレベル。下痢とはちょっと違う。そこがまた謎なんだけど。
去年も結局はトイレに行かず、リタイア時にはなんでもなくなっていたので気にせず進もうと決めた。この先トイレいっぱいあるし。なんとかなるさ。

笛吹峠、西原峠とスタッフのいるポイントを過ぎる。「三頭山まであと○○キロ〜」とか言ってくださるのがうれしい。それにしてもこのポイントでも昨年より人が少なくて、ほんとに自分は後方にいるんだなぁと思った。
そして問題の三頭山への登りへ。ここがコース上の最大標高1527メートル。でも暗くて先は見えないので黙って登るのみ。うっかり視線を上に向けると天かと思う場所に先行するランナーのライトの明かりが見えて気持ちが萎えるのであえて上は見ないようにした。途中、ベンチのある場所で休憩。(大沢山?)隣りに座っていた男性はスタートしてすぐの渋滞のとき目の前にいた方だった。少しおしゃべりする。今回は途中でいろんな人とお話した。そういう余裕があったとも言えるけど、きついのは皆同じ。しかもこの位置にいる人たちは24時間完走を目指している同志だ。タイム短縮を目指すランナーとはまた別の思いがあり、また別のつらさがあるのだ。多くを語らなくても通じるものがあるなぁ・・・。それにしても女性が少なかった。全体の一割だからしかたないけど。
先にベンチから立ち上がった男性が「避難小屋まであと15分ですよ」と言い残して先に進んで行った。
トイレまであと15分かぁ・・・。15分って長いよね・・・。

果たして15分後の避難小屋。
トイレには入ってみたけれどドアが閉まらない。思い切り閉めたら閉まるのかもしれないがそしたら出られなくなりそう〜。ストックとザックをドアの前に置き、「入ってますよ」をアピールして入室してはみたが・・。
ダメだ・・・落ち着かない・・・。
諦めて先を進むことにした。
三頭山の山頂が近づくと風が強くなってきた。それでもそれほど寒さは感じなかった。山頂で休むと冷えるかなと思い、そのまますぐに下山。山頂到着は0時50分頃だった。確か去年は0時半頃だったはず。まだ、去年のわたしに追いついていないのだ。差は縮まってきてるけど。
そのあとは一番きらいな鞘口峠までの長い急な下り。あんなに苦労して登ってきたのにそれを全部なしにするように下る。こういう歩きにくい荒れた下りが一番きらいだ。鞘口峠まで40分と看板にあったが、わたしはそれ以上かかりそう。それでも第二関門は射程距離内に入った。大丈夫!行ける!
つうか、ここでやめる選択肢はないから!
関門にはまともなトイレ(テントのペールトイレ)があるから!と頑張る。(第一関門のトイレはテントの中の地面に穴掘って板渡しただけでした)
奥多摩周遊道路に出たとき空を見上げる。だめだ、星は出ていない。
去年はここはヘロヘロで全く走れなかったが今年は走った。もうすぐ関門!関門キター!!まずは飲料の補給をもらう。
ペットボトルにポカリ500ミリリットルとハイドレに水1リットル。水の残量は700ミリリットルあったのでこんなにはいらないなーと思いつつ。せっかく軽くなっていたザックがズシリと重いぜ。
時刻は午前2時50分。昨年は2時45分だったので、ここで去年のわたしにほぼ追いついた。やったー。
昨年はここでは寒くて閑散としていたけど、なぜか今回は第一関門より賑わっていた。しかも寒くない。
そしてブルーシートで休んでいる中に知り合いの顔をみつけた。
Y子さん、Eさん、そしてそのお仲間さん。「元気そうにみえるよ」って言われまだまだいけるかなって思った。
しかも、この時点で食欲あり。
塩むすびとお茶が異常においしい〜

つづく。