こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

ハセツネ未完走レポ・その2

さて、辺りは真っ暗になってしばらくすると空からポツリ、ポツリと冷たいものが落ちて来た。だけど気にするほどでもなく、この時点ではすぐに止むのだろうと思っていた。とにかく前へ進む進む。
しかし、そのうちいよいよ本格的に降り始めてきた様子になってしまった。ちょうど脇に、木のベンチというか荷物のせ台のようなものがいくつか並んでいるところがあったので、そこにザックをおろし、薄手のウインドジャケットを着込む。が、次の瞬間、ザーッといきなり大降りになる。「ちょうど木の下で良かったですね」と隣りの男性ランナーと話しながら、ウインドジャケットを脱ぎ、合羽に着替える。やっぱり合羽は持って来て良かった。ここでゴミ袋を被っている人もいた。
右隣りで着替えていた男性は、ロングスリーブTシャツをおもむろに脱ぎ、ギューッと絞っていた。かなりの水がしたたり落ちていたがあれってほとんど汗なんですよね。絞ったあとまたそれを着ていた。実はわたしもそのころ相当の汗をかいていてTシャツはびしょびしょだったので見習って絞ってから合羽を着れば良かった・・・・。アンダーウェアーはファイントラックのノースリーブを着ていたので多少恥ずかしさを我慢すればTシャツ脱げたのにな。(うーん、でもまずいか?)
でも、暗闇でヘッドライトはずしてキャップとってと着替えるのは面倒だった。
そういうわけでこのときわたしはファイントラック、半袖シャツ、長袖シャツ、合羽という厚着になってしまっていたのだった。orz

合羽着てたのでかなり本降りの雨も気にはならなかったがとにかく暑い。給水を多くとるようになった。そのうち視界はガスがかかってほとんど前がぼんやりとしか見えない状態に。しかし、意外にも恐怖心はなく、というかはっきり見えない分、昼間より怖くなかったという感じ。地面のデコボコなどはっきり見えてるときの方が足がすくむみたいです。わたしの場合。
しかし、トレイルは雨が降り出してから状況が一変した。
とにかくドロドロ、グチャグチャ。シューズは泥の塊で重くなり、小枝や枯れ葉もくっついてものすごいことになっている。下りでは渋滞発生。滑るのでみんなゆっくりとしか降りられないため。第一関門まではストックが使えないので、頼るものはなし。ところどころに生えている木につかまりながら滑り落ちて行く。お尻をついて滑り台のように下まで降りて行った人もいた。
軽く1500人以上が通り過ぎたあとなので、ほんとにツルッツルッだった。
防水手袋をはめて、木から木につかまりながらやっとのことで降りた。登りでは足がツルッとすべって両手をついたら、四つん這いのまま、ズルズルとおちてゆく始末。まあ、なんというか地獄絵図です。
階段になっているところもほとんど土がなくなっているので降りるのに神経使うしで、かなり体力消耗。
おまけに合羽重装備で蒸れ蒸れ、暑い。手袋は下り以外ははずす。そのうち、もうフードは暑くて被っていられなくなる。周りにも合羽フードは被ってない人が多かったので皆、同じ状況だったのかもなぁ。
ゴアテックスだとこんな具合には蒸れないのであろうか?残念ながらわたしの合羽はゴアではありませんでした・・・。

もう、これは無理ってくらいの、ものすごいツルツルのところを過ぎるといつの間にか、光が満ちあふれた場所に出た。人がたくさん集まっている。あっ、マットがある!
ここが関門??
マットを踏むとゼッケンナンバーを読み上げられる。ヤッター!!第一関門突破ー!!

まずはトイレです・・・。
つづく。

これじゃ、グリップも何もあったものじゃない