こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

坊っちゃん列車

旅の最後に坊っちゃん列車に乗りました。道後温泉から松山市駅まで。同じ路線を運賃の安い市電も走っているのでこちらは専ら観光客専用。
夏目漱石の『坊っちゃん』の中で
停車場はすぐに知れた。切符も訳なく買った。
乗り込んで見るとマッチ箱のような汽車だ。
ごろごろと五分ばかり動いたと思ったら、もう降りなければならない。
道理で切符が安いと思った。たった三銭である。
と書かれたことから命名されたと、このよく声の通る車掌さんが説明してくれます。
停車する駅が近づくと簡単な観光案内もしてくださいます。
そしてこの車掌さん、道行く人に笑顔で手を振りながらお仕事されてます。すぐそばを走る車に乗った人だったり、歩道から手を振る幼い子供だったり、カメラをかまえる観光客だったり、はたまた自転車を押しているおばちゃんだったり。
だから向こうもこちらに手を振ってくれていて思わず乗客のわたしたちも手を振り返してしまいます。みんなニコニコ笑顔。楽しい〜
きっと松山の子供のなりたい職業ナンバーワンは坊っちゃん列車の運転手さんか車掌さんに違いないでしょう。
わたしの故郷金沢も以前住んでいた鎌倉も現在暮らす江の島界隈も同じく観光地で、なんで自分はそういう土地ばかり選んでしまうのかと思っていたけど、知らず知らずのうちにそういう土地特有の観光客の楽しそうな笑顔に触れていて、だから好きなんだーと改めて思いました。
だから坊っちゃん列車に乗って松山がとても好きになりました。乗れてヨカッタ。
このなんだかかわいらしいゼンマイ仕掛けのお人形みたいだった車掌さんのおかげですね。最後にお願いして一緒に記念撮影していただいちゃいました
そして終点についたあと、方向転換する様子をぜひご覧下さいとのことでしたので拝見させていただきましたヨ。

まずは運転席と客席車両を切り離します
くるりと方向転換(手動)
回します(手動)
ハイ、運転席が180度方向転換できました
今度は客席車両を引っ張って・・・(あくまで手動)
こちらでは押してます(もちろん手動)

サンフランシスコに行った時ケーブルカーがやっぱりこんな風でした
あのときはターンテーブルの上で回すのを見ましたが
こちらでは全て人力。なかなか素敵なアトラクション。
観光客を喜ばせようというおもてなしの心を感じました。

このあと松山空港から羽田までひとっ飛び。
長い長い旅行記におつきあいいただきありがとうございました!