こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

伊丹十三記念館

さて、三日目。
丸亀からJR予讃線で松山へ。地元の朝市で仕入れた天ぷら(一個50円!)とおいなりさんを駅弁がわりにつまみながらの特急約2時間。この天ぷらが見た目どうなの?というくらい冷えててベトッとしてたのだけど食べてみるとおいし〜い!
衣にしっかり味がついてるんですね。1個50円なのに3個買ったら2個おまけしてくれて5個くれたおばちゃん。計算大丈夫なのか?
それはさておき、うどんの上にのせたくなる天ぷらでした。なるほど〜これが食文化というやつですね。
などと、波打ち際を走る線路に感激しながらの車中でありました。もう2時間なんてあっという間です。4人旅ってやつは・・・。

松山駅からは市電に乗って松山市駅に移動。路面電車にも感動!そこからさらにバスで20分のところにあるのが伊丹十三記念館。
わたしは伊丹十三さんというと映画監督というイメージしかなかったのですが(そもそも「お葬式」以前の彼を知りません)、同行のお友だちはエッセイストとしての伊丹さんのファンなんだとか。←このあたりに世代の差を感じたりして・・
『ヨーロッパ退屈日記』や『女たちよ!』、全然知らなかったのだけど記念館で目にして読みたくなりました。でも伊丹さん、もっともっと多才な方で、俳優もなさっているし、イラストレーターとしても活躍。商業デザイナーという一面もあり、さらに音楽愛好家で料理通、乗り物マニアでもあります。とにかく凝り性だったことが展示品のあれこれでよくわかります。
そして猫好きという一面もあったようです。幼少の頃からとにかく家に猫がいないことはなかったというくらい。猫の絵も所蔵品にいくつかありました。これがカワイイんだ。猫を抱いている写真があるのですが猫が伊丹さんの顔にすごく近くて、それを気にするようでもなく平然とされてるいい写真だったなぁ。
特別に普段公開されてない愛蔵品を見せていただいたのですが、こだわった良いものを使われていたのだなーということがよくわかります。食器や調理器具などもデザインの良いものばかり。



この記念館の建物もすごくステキで中庭があり回廊になっているのですが、その中庭に1本の桂の木が植えられています。館長の宮本信子さんのメッセージに桂の木の下に伊丹さんが腹這いになって、そばにシャンパングラスを置いて「やぁ、いらっしゃい!」と言っているという言葉がありました。なんかほんとにそんな感じがしました。あたたくて、気さくで見応えのある記念館にしたかったとのことですが、その言葉通りの記念館で伊丹十三さんというのはとても愛された人なのだなぁと感じました。


併設のカフェでは十三饅頭やチーズケーキ、チョコレートケーキがいただけます。どれも一口サイズなので三点盛りセットというのもあり。さすがにそれは食い過ぎでしょうということでそれぞれひとつずつを選んでティータイムとなりました。

カフェのガラスにはたんぽぽのイラストが・・・