こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

スタートロス

いやはや、伊東オレンジマラソンを走って来ました。
とにかく51分切り!を目標にとのことだったんですが、大変なレースとなりました。

例年通り、夜明け前に自宅を出発。とにかく寒い。毎年、伊東に向かうときは寒いのだけど今年は格別に寒かった!
途中で日の出を迎える。

夕日じゃないですよ。朝日。
この寒さなので今日はロングスリーブだなぁとか手袋いるなとか走るときの装備についてずっと考えていた。しかし、スタートは10時20分。その頃にはずいぶんと暖かくなってきていた。手袋を脱いでポケットにつっこみながら「やっぱり半袖にアームウォーマーの方が良かったかな」とか「アンダーウェアは必要なかったかも」などとくどくどと些細なことを気にし続けたりもしたが、実のところはどっちでもいいのである。ちょっとばかり暑かろうが寒かろうが走ったらそんなことはタイムにはほとんど影響しないのだ。全く、レース前の自分の小心さにはあきれてしまう・・・。ナーバスになり過ぎ。

で、ついにスタートの時間。このマラソン大会は44回も続けているというのにいつもスタートがグダグダになる。わたしは初参加の頃からまだ一度もまともなスタートを切ったことがないのだ。大抵はスタート地点に着く前から号砲が鳴り、スタート地点前から走らされるパターン。なので今年は60歳以上男子&40歳以上女子の45分以上というプラカードの列の最前列に並んだ。そのおかげでスタート直前にはスタートラインに着いていた。これは上手くスタートできそう!とほくそ笑んでいたときにパーン!とピストルが鳴り、スタート!  のはずがなぜか周りの人たちがスタートせず止まったまま・・・。えっ??と一旦走り出したはずのわたしも止まることとなってしまった。
このマラソン大会では時間差スタートを採用していて、先に男子59歳以下の人たちがスタート、その40秒後に60歳以上男子と女子が一斉スタートとなっているのだが、整列のときに60歳以上男子と女子をさらに45分以内と以上の二つに分けるため、タイム45分以上の人たちの中にさらに時間差でスタートすると勘違いして二発目の号砲でスタートしなかった人が大勢いたため、このような混乱になってしまった。もちろん3発目の号砲があるわけもなく、しかもスタッフの人が迅速に指示してくれることもなく「こんなスタート初めてだよ」とおじさんランナーの怒号の聴こえる中の最悪のスタートとなってしまった。しかもこのときに時計のストップウォッチを一旦止めたりしていたのでタイムの計測も正確にできないまま走ることになってしまった。実際にはスタートでのロスは20秒くらいだったのだが、このときのわたしには1分以上に感じられ、せっかく狙った自己ベストももはやこれまでか・・とスタート早々泣きたい気分。
まわりの人たちもこのスタートロスにカッカッしていたせいか、前半からハイペースで走ることに。「落ち着け、落ち着け、まだ大丈夫」と自分に言い聞かせるように走る。第一折り返し地点の少し手前に「2キロ折り返し」と書かれた看板があり、その地点で時計をみたら9分22秒!
1キロ5分切るペースなんてありえない!!とっさに考えたのは「このハイペースでは完走は無理!?」
次に考えたのは、「いや、そんなハイペースはありえないからこれは2キロの地点ではなく2キロの部の折り返し地点(この大会は2キロの部、5キロの部、10キロの部があるのだ)であり、だからここは1キロ地点なのだ。ということは1キロで9分以上ってスタート地点で3分くらいのロスをしたのだ。ガビーン!もうだめだぁ・・・。51分切りなんてムリムリ!」

もう頭の中がこんがらがっちゃってます。一体、わたしはどんなペースで走ってるのか?距離はどのあたりなのか?がつかめないまま、先を進むしかない。例年なら、キロ表示のないこのレースのことを許してしまえる心の広さがあるのに、今年は「なんでキロごとに表示がないの〜」と呪いたくもなる。
心拍数はもうすでに180を超えてます。途中ときどき時計に目をやると先日更新したばかりの最大数の187からほとんど動かない。こんな最大数のまま10キロを走り切ることができるのか???
様々な不安を抱えたまま第二折り返しへの直線をひたすらハーハー走るしかない。あと何キロとかまったくわからないけどとにかく毎年、イメージしているよりずっと折り返しまでは長いのだ。マリンタウンを過ぎ、ハトヤを過ぎてもまだ先・・・のはず。
心拍数、何度みても187だ。
すると右車線に「6キロ」と書かれた看板が見えた。だけどそれもそこが6キロの地点なのか、その少し先の折り返したあとでの6キロ地点なのかがどうもわからない。やっぱり自分が速いペースで走っているのか、それともダメダメなのかが判断できな〜い
そしてようやく第二折り返し。そこには「あと3.○○○キロ」(小数点以下の数字は忘れました)と書いてあったのでさきほどの地点が6キロだったのだとやっと冷静に判断。ここで31分55秒。ってことはいつもより速いペース??でもスタートで一旦時計を止めてたからわからんぞ、とまたまた悩む。が、もうそんなことはどうでもいい。
気にせず走ろう。弱気にならずにいっぱい、いっぱいの精一杯で走ろう。
そして残り2キロの看板。あと少しだけどここからが長い。
残り1キロの看板。ここからが頑張れないわたしだけど今年は頑張りたい。昨年同様「つよいこころ、つよいこころ」と呪文のように心で唱える。そしてゴールの観光会館が見えてからが勝負。建物をぐるりと一周しなければならないのでいつもそこで気持ちが萎えてしまうのだ。でもそんな最後がダメダメな自分を解消しようと普段のランニングのとき最後だけ全力疾走のように走るようにしていた。その練習を生かすのが今だ!とばかりにうぉりゃ〜と激走(のつもり)。ゴール!

さあ、タイムは?
なんとか51分は切れたのかな?とワクワクしながら完走証が印刷されるのを待つ。

49分29秒・・・

なんとなんと予想外の50分切り!
ずっと夢だった、短冊に願いごとを書くなら「50分切り」だと言い続けていた、流れ星が流れたら「50分切り、50分切り、50分きり」と三回唱えるとも言っていた、その50分切りを何の自覚もないまま達成〜。
まずは51分切りだと堅実に目標を決めていたのにそれを飛び越えての50分切り。遠いところにあるからこそ「夢」だったのに・・・。

叶っちゃいました。ウフフ。
うれし〜い!  
でもなんだかあっけなくて・・・。

長文におつきあいありがとうございます。でもまだ少し続きます・・・。

今年もゲストは駒大ランナー