こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

あ〜てぃすとマーケットまとめ

開催中は長いな〜と思っていたけど終わってしまえばあっという間の三日間。いろいろ思うこともあったのでここにメモしときます。
前回参加した経験から、やはり1000円以下くらいで買えるようなものがないと苦戦するだろうと思い、せっせとこしらえてたコモノたち。
結局、クツの新作はつくる時間がなくなってしまって直前はコモノつくりに時間を取られることになってしまった。ちっちゃなものをつくるのはとても楽しくてかなり没頭してしまう一方で、本業は靴屋なのにクツつくんなくていいんだろうか?という葛藤があった。クツつくり仲間にはクツにこだわらずバッグやコモノなどその他のものづくりをする人も多い。手を動かすことが好きな人がほとんどだから当然と言えば当然だがわたしはクツ以外はつくりたくないタイプ。みんな器用ですごいなぁといつも感心している。そんなこびとくが今年はクツ以外のものをいっぱいつくった。

イベント初日はクツよりもコモノに足を止めてくれる人が多く、やっぱりつくって良かった、と思う反面、でもなぁ・・という気持ちも。同じく単価の高い革製品を出展しているブースの作家さん何人かに様子をうかがうとやはり皆さん苦戦しているという。お客さんは手に取ってくれることもなく素通りだとか・・。
こういうイベントではそれは当然のことで予想はできたことではあるが、それでもイベントによっては(松本クラフトフェアとか)ここまで露骨ではないこともある。金曜の赤レンガ倉庫は確かに厳しかった・・・。
こびとくは持ってけドロボー100円ハギレパックのおかげもあり、それなりの繁盛ぶり。でもやっぱり「わたしって靴屋なんだけど・・・」という思いは拭い切れない。
けれども二日目、三日目と知り合いが来てくれるようになってみんなが「こんな風にちょこっと気軽に買えるものがあるといいですね」と言ってくれてずいぶん気持ちが変わった。100円パックにひかれて近づいてきた人が「へぇ〜、クツってつくれるんだー」などとクツを手にしてくれることも多かった。ニャンコよありがとう〜のキーホルダーは見本に紙でつくった500円玉を入れておいて「このポケットにコインが入るんですよ」と説明してあげると皆さん「おもしろ〜い!」と興味を持ってくださった。まさしくニャンコよありがとう〜!ニャンコにもずいぶん助けられたのだった。
そういうわけでコモノが客寄せとなって結果、クツを手に取ってもらうという作戦通りの展開ではあったのだった。

が、しかし、やっぱりクツだけで勝負したいよなぁという思いが最後にはどんどん大きくなってきた。上手くディスプレイすれば足を止めてくれるのではなかろうか?出展者の方の中にはディスプレイの上手な人がたくさんいて、什器のこととか尋ねると親切に購入先まで教えてくださる方もいた。ありがとうございます!
わたしの場合はつくったものを売っているといっても他とは違い、全てオーダー。受注を取るのが目的なのでもっともっと頭をひねって工夫が必要なのだ。実演だとかその場で修理しますとか・・・ね。インソール作成のデモとかできるといいなぁとかも思う。赤レンガ倉庫の場合はブースが狭くてキビシイですが。
というわけでまだまだ改善の余地はあります。

この不況はひとつひとつ手づくりしている人たちにとって本当に厳しいもので、逆立ちしても大量生産の価格とかにはかなわないのだけど、安いからとそちらに飛びついてばかりいると世の中はずいぶんとつまらないないものになる気がします。レストランもチェーン店しか生き残らなくなる。実際、個人商店は業種に関わらず次々と廃業しています。手づくりの作家さんたちが厳しいながらも廃業せずにいるのはきっと、自分の手の届く範囲の暮らしをしているから。ボーナスも昇給もないのが基本の生活だから景気が良くても悪くてもどちらにしても経済的にはキビシイのであります。まあ、平たく言えばビンボーに慣れてるというか・・・(こんな風にいうと作家さんに失礼かしら?)
そして何よりも自分のしごとを愛しているから。つくるのが好きだからなんだと思います。
イベントのときはご近所のブースの作家さんとお話したりしますがいつでもみんないい人ばっかり。感じの悪い人に会ったことは一度もありません。これってかなりすごいことだと思う。みんなすごーく頑張ってて自分も頑張らなきゃなーと改めて思いました。

皆さん、ありがとうございました!

赤レンガ倉庫よ、ありがとう〜