こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

マンゴーのいた場所

共感覚についてもう少し知りたかったので『マンゴーのいた場所』を読んでみた。
共感覚を持った少女ミアは音や文字に色がついてくる。みんなもそうだと思っていたのに8歳のときにそうじゃないって知ってからはそのことを秘密にしてきた。だけど13歳のときにそれが『共感覚』と呼ばれるものだと知ることになる。
病気じゃないんだ、あたしの他にもいるんだって大興奮。
共感覚者のウェブサイトにアクセスしたり、共感覚者の集まりに参加してドキドキ、共感覚者のボーイフレンドもできる。
ウェブサイトで読んだ話のマネ、お風呂で音楽をきいてみると・・・
すごい!すごい!湯気の中の色や形がまるでレーザーショーのよう。
もっとすごいのが針療法。試してみたら最高!!みんなのまわりに色とりどりのオーラが見えちゃう。

こうすると共感覚が高まるっていう方法を次々試すミア。そのときの描写がすごい。色とりどりのおはじきみたいな泡が目の前にずんずん近づいてくる。泡はそのうち波みたいにゆらめいて見たことがないくらいカラフルな吹き流しになってゆく。これまでは音が鳴らないと色がついた形は見えなかったのに。
家族や友だちの姿を見ると小さいツルが何本も伸びてきてたり、霧みたいなオーラに包まれてたり、ボールが飛び出して来てる・・・。
このことについてボーイフレンドのアダムにメールで尋ねてみるとそれは"フェロモン"だとのこと。

うーん、そっか、フェロモンってそんな風に見えるんだ。みんなちゃんと出しているのね。ちょっと見てみたい感じです。

だけど悲しいことがあると突然、色が見えなくなってしまうことがあるのだという。
そしてそれはミアにも・・・。
あんなにみんなと同じになりたいって思っていたのに色あせた世界はつまらない・・・。
そして再び、ミアに色がもどってくる!

そんなストーリー。わたしの説明だとすごくわかりにくいけど、この本読むと共感覚についてよくわかる。小学生にもわかるように書かれた本(児童書)だから。
神経内科医のジェリーによれば共感覚というのは『感覚がいっしょになっている』っていう意味で脳の中にワイヤーが交差している感じ。ミアの場合は目の感覚と耳の感覚がクロスしているからから脳の聴覚野が刺激されると脳の視覚野の活動も活発になるってこと。人によってそれはいろんなパターンがあるみたい。

なるほどー。
ちなみに乳児はこの感覚を持っているらしい。だけど成長するにつれ脳のワイヤーは交差しないでそれぞれ個別の働きをするようになるのだとか。
好きな絵本にエリックカールさんの『うたがみえる きこえるよ』があるけどあれも共感覚の絵本だなぁと思ったりもした。