こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

南極料理人

引き続き、映画の話題。
『南極料理人』を観た。
究極の単身赴任。ペンギンもアザラシもウイルスだって存在しない極寒の南極、ドームふじ基地へ料理人としてやってきた堺雅人さん演じる西村。料理の腕をふるい孤軍奮闘する。
フードスタイリストの飯島奈美さんが関わっているので西村のつくる料理はそりゃあおいしそうなのだが、なにしろそこは1997年の南極観測隊。男所帯のむさくるしさなので、「かもめ食堂」のようにはいかない。
『家族と離れてさみしいけれど、どんなときも、おいしいものを食べると元気になれる!』というのが一応、テーマの映画だけど、おいしいもの云々より、男性だけの共同下宿生活みたいなものの様子が際立つ。それがおもしろい。
南極観測隊に関しては、ずいぶん前に『不肖・宮嶋南極観測隊ニ同行ス』というおっかしい本を読んでいたので予備知識はあった。基地内にはママさんのいる(もちろん観測隊員の女装である)バーがあるとかね・・・。「中国文化研究部」と掲げて麻雀に興じてたり。
今では観測隊員に女性もいるのでこういう雰囲気ではないのだろうけど。
最初は食べられれば何だっていいって感じだった隊員も堺さんのおいしいごはんを毎日食べるうちにとりこになる。隊長役のきたろうさんの「西村く〜ん、お腹空いたよう〜」のセリフが印象的。

一番おかしかったのは、西村が南極に派遣される前、海上保安庁の船の中で調理担当だった頃の家庭の夕食でのエピソード。子育てに忙しい奥さん(西田尚美ちゃんが演じてます)がテキトーにつくった唐揚げに、「もー、ちゃんと二度揚げした?油っぽいんだよな〜」と不満タラタラ。「だったら食べなきゃいいじゃん」と妻。
低い温度で揚げたベトッとした唐揚げをイヤイヤ口に入れながら「胃にもたれるんだよぅ」とつぶやくと「だったら胃、鍛えなさいよう!」と切り返した強気な妻。"胃を鍛えろ"という切り返しは予想外だったので笑ってしまった。
この映画を観るとやっぱりおいしいごはんって大切って思うけど一方でこういう鬼嫁もなかなか良い!などとも思う。←やっぱりテーマからはずれてしまってる・・・

微笑みの役者、堺雅人さんのこと、そんなに好きではなかったけどこの映画を観て見直した。
堺さんの握るおにぎりが本当においしそうでした。おにぎり+豚汁の組み合わせは永遠なり。
次作の『クヒオ大佐』にも注目です。