こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

左右差

先日のオーソティックスソサエティーの総会のときのセミナーの話、書こう書こうと思っていたのにすっかり遅くなってしまったのでかいつまんで。
ひとつはスポーツシューズの現状についての話。
例えばランニングシューズ。
メーカー各社、シューズに機能をつけているのだがその方法として共通しているのはミッドソールの工夫である。
ミッドソールの一部を硬くすることで重心を変えたりする。
各社、微妙にやり方は違うけど概ね共通しているのはミッドソールの内側を硬くすることでオーバープロネーション(内側への過度な倒れ込み)を防ぎ、外側を硬くしたシューズではオーバーサピネーション(外側への過度な倒れ込み)を防ぐという構造。またミッドソールの硬さを段階的に変えたり、波状にすることでクッション性や安定性を高めたシューズというのもある。
この考え方はディモコインソールとも共通するのであるが、ひとつ問題がある。
それは左右差のこと。
例えば、左が正常で右がオーバープロネーションの人の場合、ミッドソールの内側を硬くしたシューズを履くと右のオーバープロネーションは解消されるのだが、今度は正常だった左がオーバーサピネーションになってしまうという問題が生じるということ。
当たり前のことなのだが市販のクツって左右セットだから、左右差がないという前提のもとに売られている。でも実際にはサイズを含め、左右差がないという人の方が少ないのだ。
万人に向けて売られているにも関わらず、万人には合わないという矛盾。
これ考えてると夜寝られなくなります・・・。

思うに最初はまっさらのニュートラルな状態(機能などつかない)でそこにその人の足に合わせて付け足してゆくという方法があるといいのでは?
大量生産ではそんなことまず無理だけど、わたしたちのような一足一足つくるやり方だったらできる。そこに可能性をみつけたいとそう思いました。

画像はこれからカカト修理するこびとくのクツ。カカトの減り方の左右差に注目。外側が減るといってもこうやって減り方の角度も左右で違うのである。

インソールの使用で減り方も変わったらすごいなって思う。それは歩行が変わったということだから。
今後にご期待ください。

応用コースのテスト、合格しました。次のステップに進みます。