こびとく日誌

クツをつくりながら考えたこと。晴耕雨読な日々のこと。

ヒナを拾わないで

先日、夜遅くに同じマンションのお友達からメールがありました。
「鳥のヒナがいるのだけど、どうしたらいい?」という内容のもの。ピーピー激しく鳴いているとのことでした。
どんな鳥かきいてみると「茶、グレーかな。スズメよりちょっと大きい」との返信が。

多分、ヒヨドリじゃないかなと思ったわたし。
確か以前にも9月の初旬に近所でヒヨドリの巣立ち雛騒動がありました。
そのときに調べてわかったことは、「拾わないで!」ということ。

お友達には、おそらく親鳥が近くにいて、えさを運んできながら励まして飛べるようになると思うからそのままそっと立ち去るようにと返信しました。マンションの敷地内で、野良猫やカラスが入り込むような場所ではなかったので移動させることも必要ないと考えたからです。

翌朝、その話を相方にしてみると「あー、それ、俺見たよ。ヒヨドリだね。親が騒いでた」とのこと。数日前からいたようなのです。彼は以前の騒動のときに「拾わないで」と知ったのでそのまま立ち去ったとのこと。
それでも気になったので朝9時頃に見に行ってみました。ヒナの声は聴こえなかったのでもう飛び去ったあとかなぁと思ったら、植木鉢の脇にうずくまるようにいました。身動きせずにジーッとわたしの方をみつめています。やっぱりヒヨドリだ!と思いました。うんともすんとも言わないでうずくまってます。
こはちょうど吹き抜けになっている場所でその上の方から落ちてしまった様子。でも頑張って飛び上がればきっと脱出できるはず。まわりにフンをしたあとがいっぱいあったので親鳥はちゃんと食べ物を運んで来ているのだろうと良い方に考えてそのまま外出しました。だけど、「ヒナがいます。親鳥が世話をしているので近づかないように」という張り紙をしておいた方が良かったかなぁと外出先で急に心配になってきました。誰かがヒナに気付き、保護してしまうかもしれないからです。ヒナが静かにしていれば誰も気付かないような場所だけど前日の夜のようにピーピー鳴いていたら・・・、管理人さんがお掃除途中でみつけたら・・・と不安になってきました。
巣じゃないところでヒナをみつけたら、普通、拾っちゃいますよね。そしてどうするでしょう?

動物病院に電話?
でもスズメやヒヨドリ、カラスなんかだとほとんど受け入れてもらえないようです。

自分で育てる?
たくさんの虫など食べ物が必要です。あと保温も必要でヒナを育てるのはとても難しいようです。
本当に保護するのならそれなりの責任と覚悟が必要。

ヒナがケガをしていない、その場所が危険な場所でなければやはりそのまま立ち去るのが良いようです。
巣立ち雛は木から木にうまく飛べなくて一旦、地面に降りていただけの場合もあります。そんなヒナを拾ったら、それは保護ではなくて"誘拐"です。親鳥はちゃんと世話をしてくれます。ただし、そこにニンゲンがいなければ、です。もし親鳥が放棄したとしたら、それは多分、助からないヒナだということ。

外出先からお昼頃に戻ってみるとヒナはいなくなっていました。吹き抜けの上の茂みの中からはヒヨドリの声が聴こえます。良かった〜、飛べたんだ〜と安堵。
とはいえ、誰かに拾われたのかもしれませんが・・・。

ヒヨドリは身近な鳥なので、落ちたヒナを目撃することも多いと思います。だから頭の片隅に「拾わないで!」ということ覚えといてくださいね。詳しくはこちらのサイトをごらん下さい→
サイトにも書いてありますが、どうしてもわたしたちは子供に弱いというかヒナをみると急にかわいそう〜となってしまいがちだけど、でも自然とはそういうものではなく、弱いものは生き残れません。自然界の命の原則は他の生物の食物になること。それが自然の仕組みなのですネ。

<追記>ヒヨドリは非常に早い段階で巣立つ(巣立ち日数10〜11日)そうです。巣の周辺で徐々に成長していくらしく、巣より落ちたヒナがいても決して巣に戻そうとしてはいけないとのこと。巣に近づくと残っているヒナ全てが飛び出してしまう結果となるそうです。まだ上手く飛べないだけのものを弱っている、かわいそう、助けなきゃと安易に思わないこと。
わたしたちは、もう少し自然について学ぶ必要がありそうです。

ビーチラン途中で会ったウミネコ、茶色いのが幼鳥です